FBA配送代行手数料が急に上がった原因と対処法

FBA配送代行手数料が急に上がった原因と対処法

公開: 2026/7/26

FBA配送代行手数料とは、Amazonが商品のピッキング(棚から注文の商品を集める作業のことです)・梱包・出荷を代行する対価として、注文ごとに徴収する手数料のことです。この手数料が急に上がった場合、原因は①料金改定そのもの②サイズ区分の誤計測③低在庫レベル手数料の新規課金の3系統のいずれかです。サイズ区分とは、商品の大きさ・重量によって決まる分類のことで、この区分によって手数料の金額が変わります。実寸が変わっていないのに手数料だけ上がったなら、まずサイズ区分の誤計測を疑うのが最優先になります。原因ごとに確認する場所と是正手順が異なるため、切り分けを誤ると対応が長引きます。

手数料急増の3系統をまず切り分ける

FBA配送代行手数料とは、Amazonが商品のピッキング・梱包・出荷を代行する対価として、注文ごとに徴収する手数料のことです。金額はサイズ区分と重量で決まるため、実寸が同じなら本来は変動しません。それでも急上昇するのは、次の3つのどれかが起きているためです。

原因系統見分け方確認する場所
①料金改定特定の改定日を境に全SKU(出品者が商品ごとに付ける管理番号です)で一律に変動セラーセントラルのニュース欄・手数料レポート
②サイズ区分の誤計測実寸・実重量は不変なのに1個あたりの手数料が急増手数料レポートで寸法・重量の変更履歴を比較
③低在庫レベル手数料対象は小型・標準サイズのみ、在庫日数(今の販売ペースで、手元の在庫が何日でなくなるかを表す日数です)が少ないSKUに限定在庫管理ダッシュボードの在庫日数指標
POINT

POINT: 「急に上がった」と感じたら、まず全SKU一律か特定ASIN(Amazonが商品1つずつに割り当てている10桁の商品コードです)だけかを見ます。全体一律なら料金改定、特定ASINだけなら誤計測か低在庫の可能性が高いです。

サイズ区分の誤計測はなぜ起きるのか

Amazonの受入FC(商品を受け入れるAmazonの物流拠点、フルフィルメントセンターのことです)では、納品された商品のサイズと重量を**キュビスキャン(cubiscan)**という機械で自動計測します。ここでは、梱包資材のわずかな膨らみやテープのはみ出し、OPP袋(商品を包装する透明なポリプロピレン製の袋です)の空気や熱による膨張などを、実際の寸法より大きく検知してしまうことがあります。その結果、本来より高いサイズ区分に誤って登録されてしまうトラブルが日常的に起きています(出典: Amazonセラーフォーラム(日本))。

倉庫で梱包された荷物を積み上げる作業員

こうした誤計測は決して珍しいことではありません。日本のサイズ区分は小型・標準1〜8のように数cm刻みで手数料が変わる設計になっているため、梱包資材のわずかな膨らみで区分がひとつ上がるだけでも、1個あたりの手数料が数十円〜百円単位で変動することになります。出品点数が多いSKUほど、この差はそのまま月間の手数料総額に直結します。放置せずに早期発見することが重要です。

日本国内でも、衣類を厚さ3cm未満で梱包・納品したにもかかわらず、受領時の計測で2.5〜4.5cmとされた例が報告されています。この結果、予定していた配送代行手数料318円が434円に変更されました。同一商品の色違い6色のうち2色だけが標準サイズに分類され、原因は梱包厚み0.2mm超過だったという報告もあります(出典: Amazonセラーフォーラム(日本))。

同一ASINに相乗り出品(他の出品者が、自社の作った商品ページに同じ商品として出品してくることです)がある場合は、自分が梱包を変えていなくても、競合出品者が同梱物(ポスターなど)を追加したことでサイズ区分が統一されてしまうこともあります。相乗り商品を扱っているなら、サイズ区分の定期的なモニタリングが必要です。

セラサポでできること

手数料がいくら引かれたか、商品ごとに見えていますか

セラサポなら、販売手数料・FBA配送料・保管料を商品ごとに集計します。原価を登録すれば「この商品は広告費をいくらまで使えるか」まで自動で出ます。

料金改定そのものが原因のケース

料金改定は年に複数回あり、日本では2026年4月1日から新しい体系が適用されています。標準サイズ20〜80cm・最大5kgの商品はFBA配送代行手数料が1個あたり平均38円引き下げられました。1,000円以下の低価格帯商品はさらに66円割引されています。一方で、売上750円超の商品は販売手数料(カテゴリ手数料。Amazonで商品が売れた際に、その売上に対してかかる手数料です)が全カテゴリ一律0.4%引き上げられています(出典: Amazonセラーセントラル ヘルプ)。

つまり配送代行手数料だけを見て「下がったから安心」と判断するのは禁物で、トータルの1個あたり利益で見ないと実態を見誤ります。同時に2026年4月15日からは、保管12ヶ月超の全商品に対して1点あたり月額20円の最低手数料も新設されています。そのため、配送代行・販売手数料・保管手数料をあわせて見直す必要があります。

さらに新料率は出荷日(在庫評価日)基準で適用されるため、注文自体が改定前でも出荷が改定日以降なら新料率になります。改定直前に駆け込み出荷しても旧料率が適用されるとは限りません。

低在庫レベル手数料の発生条件

**低在庫レベル手数料(Low Inventory Level Fee)**とは、小型・標準サイズ商品を対象に、在庫日数が一定水準を下回った場合にのみ課金される追加手数料のことです。2024年5月1日に導入されました。過去90日間と過去30日間の在庫日数(平均在庫数÷平均出荷数)が、ともに14日未満の場合に発生します。

対象サイズ区分在庫日数0〜7日在庫日数7〜14日
小型(25×18×2cm以下・250g以下)9円5円
標準2〜7(80cm以下・5kg以下)22円7円
標準8(100cm以下・9kg以下)30円8円

(金額は二次情報の要約値のため参考値として扱ってください)

対象外となるのは大型・特大型商品、新規大口出品者(月額料金を払って出品する「大口出品」プランに、最近登録したばかりの出品者です)、そしてFBA初利用商品です。新商品特典プログラム(新しく発売した商品を対象に、一定期間FBA手数料の一部が優遇されるAmazonの制度です)を適用していれば、初回納品受領日から180日間は免除されます。回避策はシンプルで、在庫日数を28日以上に保つ発注運用に切り替えることです。

POINT

POINT: 低在庫レベル手数料は「品切れ寸前で薄利多売している売れ筋SKU」に集中してかかりやすい構造です。売れているからこそ在庫日数が短くなり、課金対象になる点に注意してください。

是正手順 — 再計測依頼と返金申請

サイズ区分の誤計測が疑われる場合、是正手段は**再計測依頼(Re-measurement)**です。これは、Amazonにもう一度商品のサイズ・重量を測り直してもらう申請のことです。セラーセントラル右上の検索窓に「再計測依頼」と入力すると、ウィジェット(申請フォームのような操作画面です)から申請できます(出典: Amazonセラーセントラル ヘルプ)。

  1. 手数料レポート(Fee Preview Reportなど)で変更前後の寸法・重量を突合する(照らし合わせて比較する)
  2. 差異があれば実測写真(タイムスタンプ付き)を用意する
  3. 検索窓から再計測依頼を申請する
  4. 課金日から90日以内にケース(Amazonへの問い合わせ・申請を管理する番号のことです)をオープンし(起票し)、過剰請求分の返金も同時に申請する
  5. 梱包を見直す(OPP袋側面のヒートシーラー〈袋の口を熱で溶着して閉じる機械です〉補強、緩衝材を減らして実寸ギリギリまで圧縮)

ここで注意したいのは、再計測でサイズが是正されても過去分の返金は拒否されることがあるという点です。返金までに数ヶ月かかることもあります。「ケースを再オープンしても結果は変わらない」といった定型回答が続いたりするケースも珍しくありません(後述の実例を参照)。差異を見つけたら先延ばしにせず即座にケースをオープンする姿勢が重要です。

また、再計測依頼には「過去60日以内に既に2回実施済み」「該当FCに在庫が実在しない」のいずれかに該当すると受け付けられない制約があります。さらにセラー申告値とAmazon実測値が食い違う場合はAmazon実測値が優先される点も押さえておく必要があります。

日本の実例では、1,000円ちょうどの小型軽量プログラム(低価格・小型軽量の商品を対象に、手数料が割安になるAmazonの制度です)対象商品が、改定で自動的に標準サイズ区分1に切り替わった事例があります。差額183円×200点=36,600円が過剰請求されました。解決まで約3ヶ月かかり、その間は「調査中」の自動返信のみでしたが、最終的には差額が全額返金されました(出典: Amazonセラーセントラル ヘルプ)。手数料レポートとASINごとの実測値の突き合わせ(照らし合わせ)は手間がかかる作業ですが、セラサポのような分析ツールを使うと、こうした数値の突き合わせを自動化できます。

注意点 — グレー領域と限界

実際より小さい寸法・軽い重量を意図的に登録したり、計測時だけ梱包を圧縮して小さい区分に見せかけたりする手法を使う事業者も存在します。しかし、こうした虚偽申告は**商品情報の正確性ポリシー違反(カタログ偽装)**に該当しうる行為であり、推奨しません。カタログ偽装とは、商品ページに実物と異なる情報を掲載する、Amazonの規約違反行為のことです。今回の調査では「寸法の意図的な虚偽申告でアカウント停止となった」具体的な処分事例までは確認できませんでした。ただし一般論として、出品情報が実物と一致しない場合はカタログ偽装として扱われるとされています。

一方で、再計測依頼のために実際の寸法を正確に反映させたうえで梱包を工夫すること自体は正当な最適化であり、グレーではありません。区別されるのは「通常出荷時は元の梱包に戻す」意図的な偽装のケースです。

まとめ

FBA配送代行手数料の急上昇は、料金改定・サイズ区分の誤計測・低在庫レベル手数料の3系統に分けて原因を特定することが解決の近道です。実寸が変わらないのに手数料だけ増えたなら、手数料レポートでの突合と再計測依頼を最優先で行ってください。課金日から90日以内に返金申請まで済ませることも忘れないようにしましょう。低在庫レベル手数料は在庫日数28日以上の維持で回避できます。料金改定は配送代行だけでなく、販売手数料・保管手数料も含めたトータルで見直す必要があります。

よくある質問

再計測依頼は何回でもできるのか

過去60日以内に既に2回実施済みの場合や、該当FCに在庫が実在しない場合は申請できません。該当する場合は、梱包を見直したうえで一定期間を空けてから再度申請してください。

サイズ区分の誤計測による過剰請求は必ず返金されるのか

必ずしも返金されるとは限りません。再計測でサイズが是正されても、過去分の返金が拒否された事例が複数報告されています。差異を発見したら課金日から90日以内に早期にケースをオープンすることが重要です。

低在庫レベル手数料は新商品にもかかるのか

FBA新商品特典プログラムを適用していれば、初回納品受領日から180日間は低在庫レベル手数料の対象外になります。

配送代行手数料が下がったのに全体のコストが上がるのはなぜか

料金改定では配送代行手数料が下がる一方で、販売手数料(カテゴリ手数料)が同時に引き上げられることがあるためです。配送代行だけでなく1個あたりのトータル利益で判断する必要があります。

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