Amazon注文不良率の改善方法と停止を防ぐ基準

Amazon注文不良率の改善方法と停止を防ぐ基準

公開: 2026/7/23 / 更新: 2026/7/26

ODR(Order Defect Rate/注文不良率。低評価やクレームなど、注文に何らかのトラブルがあった割合を示す指標です)が上がったときは、まず何が原因で増えたのかを特定することから始めます。具体的には「低評価」「A-to-zクレーム(購入者がAmazonに直接申し立てる補償制度で、出品者に非があると認定されるとカウントされます)」「チャージバック(購入者のクレジットカード会社を通じた返金請求のうち、出品者側の対応に問題があったと判断されたもの)」のどれが増えたかを、セラーセントラルの注文不良レポートで確認します。

次に、原因を配送起因か商品・説明起因かに分けます。そのうえで、それぞれに定められた期限(A-to-zクレームは48時間以内の申請、チャージバックの異議申し立ては11暦日以内、返品受付は30暦日以内)を守って個別に対応すれば、多くの場合1%未満へ戻せます。

目標値は全出品者共通で1%未満です。この基準を超えると、出品権限の一時停止・アカウント停止のリスクが生じます(セラーセントラル ヘルプ)。

ODRとは何か

ODR(注文不良率)とは、直近60日間を常にずらしながら集計する方式の指標です。①低評価(セラー評価★1〜2)②A-to-zクレームの認定③サービス起因のチャージバック——のいずれか1つ以上がある注文の割合を指します。計算式は「不良注文数 ÷ 該当期間内の全注文数」です(セラーセントラル ヘルプ)。

1つの注文で低評価とチャージバックが同時に起きても、不良カウントは1注文につき1件しか計上されません。また、直近の注文データはセラーセントラルへの反映まで時間がかかる場合があります。ダッシュボード上のODRが1%未満に見えていても、油断はできません。これから反映される不良によって、近く1%を超える可能性があるためです。

POINT

POINT ODRの目標は全出品者共通で1%未満です。直近の注文データは、セラーセントラルへの反映まで時間がかかる場合があります。そのため、ダッシュボード上で1%未満に見えていても、実態はすでに悪化している場合があります(2026年7月時点)。

ODRを構成する3つの指標

打ち手は、まずどの要素が主因かを特定するところから始まります。3つの指標は性質がまったく異なるため、対応窓口も期限も別々です。

指標内容カウントされる条件
低評価率出品者評価★1〜2配送・梱包・対応など取引体験への評価のみ。商品レビューは対象外
A-to-zクレーム申請率購入者が出品者に連絡後48時間で申請ボタン表示出品者に非あり(認定)と判定された申請のみ
チャージバック率サービス起因のクレジットカード返金請求不正利用チャージバック(第三者によるカードの不正利用が原因のもの)は対象外、出品者の対応に問題があったサービス起因のみ対象

特に重要なのは、「出品者評価(セラーフィードバック)」と「商品レビュー」は別物という点です。ODRに影響するのは前者だけです。しかし、購入者が商品への不満を誤って出品者評価に書き込んでしまうケースが多く、セラー側の誤解の温床になっています。注文不良レポートで確認する際も、この区別を意識してください。

セラサポでできること

手数料がいくら引かれたか、商品ごとに見えていますか

セラサポなら、販売手数料・FBA配送料・保管料を商品ごとに集計します。原価を登録すれば「この商品は広告費をいくらまで使えるか」まで自動で出ます。

原因の切り分け方

原因を特定するには、セラーセントラルの「アカウント健全性」(アカウントの状態を示す指標をまとめた画面)を開きます。そこでODRのパーセンテージをクリックすると、注文不良レポートで注文単位の詳細を確認できます。低評価・A-to-zクレーム・チャージバックのどれが直近で増えているかを見れば、次に取るべき対策が絞り込めます。

主因が「配送」なのか「商品品質・説明相違」なのかによって、打ち手はまったく変わります。配送起因なら配送方法や梱包の見直し、商品・説明起因なら検品強化やリスティング(Amazon上の商品ページ)の監査が必要になります。

主因別の対処法

低評価が主因の場合

まず「出品者評価への書き込み」か「商品レビューの誤爆(商品への不満を誤って出品者評価に書いた)」かを見極めます。ODRに効くのは出品者評価のみだからです。予防策は配送スピードの向上・梱包の強化・24時間以内の返信が中心になります。

出品者評価の削除が認められるのは、規約に明確に違反するケースのみです。具体的には、卑猥・冒とく的な表現や個人情報の記載、商品レビューの内容に終始しているといった場合が該当します。「単に不当だと感じる」というだけでは削除対象になりません。これは日本のセラーフォーラムでAmazon担当者が明言している運用です(セラーセントラル(日本)フォーラム)。

削除より発生を未然に防ぐことに力を入れる方が現実的です。FBM(自己発送。Amazonの倉庫を使わず出品者が自分で発送する方法)の場合は、配送遅延や梱包の不備が直接評価に繋がりやすい点に注意が必要です。発送精度の維持が特に重要になります。

A-to-zクレームが主因の場合

購入者が出品者に連絡してから48時間経過すると申請ボタンが表示されます。そのため、できれば24時間以内に返信・解決してクレーム化を防ぐことが分水嶺になります。

日本のセラーフォーラムでは、次のような実例が報告されています。初期不良を理由に返品を求められた際、出品者が「人為的損傷の痕跡がある」として返品を拒否し、部品交換を提案しました。すると購入者がA-to-zクレームを申請し、出品者は全額返金を強いられてODR悪化・停止アラートを受けることになりました(セラーセントラル(日本)フォーラム)。理由の如何を問わず30日以内は返品を受け付ける必要がある点は、初動対応の基本として押さえておいてください。

すでに認定された申請には、Amazonが定める期限内に配送確認・やり取り記録・商品写真などの証拠を添えて異議申し立てが可能です。期限の詳細はセラーセントラルのA-to-zクレームヘルプでご確認ください。

異議申し立てに必要な注文詳細や日時を確認する際は、期間・商品でのフィルタが使えるセラサポの注文画面が出発点になります。

注文

期間や商品で絞り込んで注文明細を一覧できます。クレームや返品が発生した注文の特定、証拠収集の出発点として活用できます。→ セラサポの注文画面を確認する

チャージバックが主因の場合

まず、チャージバックを2種類に切り分けます。1つは「不正利用チャージバック」で、Amazon Pay支払保証で保護されており、通常ODRに影響しません。もう1つは「サービス起因チャージバック」で、こちらは出品者責任としてODRに影響します。サービス起因の場合は通知から11暦日以内に証拠を添えて異議申し立てを行う必要があります。期限を超えると、自動的に引き落としが確定してしまいます(Amazon Pay ヘルプ)。

POINT

POINT A-to-zクレームは48時間で申請可能、異議申し立ての期限はセラーセントラルのヘルプでご確認ください。チャージバックは通知から11暦日以内。期限を1つでも逃すと打つ手がなくなります。

FBAとFBMで対応が変わる点

FBA(Amazonの倉庫に商品を預けて、保管・配送・カスタマー対応を任せる仕組み)の注文で、配送遅延・紛失・破損などの不良が起きた場合を考えます。この場合はAmazonが責任を負うため、該当する低評価はODR計算から除外されることがあります。一方で、SNAD(商品の状態や内容が、商品ページの説明と大きく異なっていたという購入者からの指摘)や商品自体の品質問題は、FBAであっても出品者の責任として扱われ、ODRに残ります。

ODR上昇の主因が「配送」なのか「商品・説明」なのかで、FBA化が効くかどうかが変わります。FBMの出品者はAmazon側の配送責任がないため、配送トラブルの影響をより直接的に受けます。

区分配送起因の不良商品・説明起因の不良
FBA自動除外の対象になり得る出品者責任として残る
FBM保護なし、そのままODRに反映出品者責任として残る

少ロットセラーが陥りやすい「死のスパイラル」

60日間の注文数が少ないセラーは分母が小さいため、たった1件の不良で1%を超えやすい構造になっています。実際に、次のような悪循環が報告されています。1件の低評価でODRが1.12%になり、カートボックス(商品ページの「カートに入れる」ボタンの獲得権)を喪失しました。その結果、販売数が激減し、さらにODRが改善しないという状態に陥ったということです。

カートボックス経由の売上は全体の大半を占めるとされています(セラーセントラルに公式数値の開示はありません。2026年7月時点)。ODRが1%を超えると、他の指標をどれだけ改善してもカート対象外になるリスクがあります。しかも販売が止まることで分母の注文数が増えないため、ODRが改善しないまま時間だけが過ぎる状況に陥ります。

販売数を増やして分母を希釈する対策には、一定の効果があります。ただし、根本の品質・対応改善を伴わないまま数だけ追うと、再発しやすい点に注意が必要です。

日々の売上・注文・転換率(CVR:商品ページを見た人のうち、実際に買った人の割合)を毎日自動で把握しておくと、ODRの悪化に早期に気づけます。

店舗概況(ダッシュボード)

売上・販売個数・購入転換率を前月と並べて毎日自動更新します。数値の急落に早く気づくことで、ODRの悪化が進む前に原因調査に着手できます。

停止予告が来た場合の対応

出品権限の一時停止リスクにさらされると、アカウント健全性ページ上部のバナーに警告が表示されます。状況によってはODRポリシーに関する確認クイズが表示されることがあります。このクイズにAmazonが提示する期限内に回答して合格すると、改善計画書(POA:アカウントに警告や停止を受けた際にAmazonへ提出する、原因と対策をまとめた文書)の提出なしに停止を回避できる場合があります。ただし、すでに異議申し立てを選択している場合は、クイズの選択肢が表示されなくなる仕様になっています。バナーが出たら早めに確認してください。

POAを提出する場合は、①根本原因、②すでに実施した是正措置、③再発防止策の3要素を、過去形かつ具体的な内容で記述することが重視されます。「梱包資材が不十分だった」「配送業者が誤配送した」など、外部への責任転嫁と受け取られる書き方は通りにくいとされています。

それよりも、「繁忙期の対応人員が不足していた」など自社内の根本原因を特定することが重要です。そのうえで、具体的な再発防止策(例:週7日体制でのクレーム対応体制の構築)を書く形が評価されやすいとされています。件数・日数・人数などの具体的な数字を入れると、根拠が伝わりやすくなります。

グレー領域について

フィードバック削除の見返りに返金や謝礼を提供する行為は、Amazonのポリシーに明確に違反します。購入者とのメッセージが監視・検知されるとアカウント停止につながる可能性があります。

停止リスクの高いアカウントを放棄して、別名義で再登録するという手法を検討するセラーもいます。しかし、氏名・住所・銀行口座・IPアドレスなど複数のデータポイントで関連アカウントが検知される仕組みがあるため、既存アカウントの状況をさらに悪化させるリスクがあります。正攻法での改善を優先してください。

ODRとOTDRの違い

ODRとOTDR(On-Time Delivery Rate/納期内配達率。注文からお届けまでの期限を守れた割合を示す指標です)は別の指標です。しかし、一部の情報ではこの2つが混同されています。2026年2月以降、OTDRに関する運用変更がありました。これは「90%未満になった時に、全カタログではなく問題のある商品ページ(リスティング)のみを停止する」という緩和措置です。ODRの1%基準や計算方法自体は変わっていません(2026年7月時点。最新の基準は必ずセラーセントラルのヘルプでご確認ください)。

また、直近の注文データはセラーセントラルへの反映まで時間がかかる場合があります。ダッシュボード上のODRが安全に見えていても、未反映の不良注文がある可能性を常に念頭においてください。

まとめ

ODRは低評価・A-to-zクレーム・チャージバックの3要素で構成され、目標は1%未満です。まずセラーセントラルの「アカウント健全性」から注文不良レポートを開き、どの要素が増えたかを特定してください。配送起因か商品・説明起因かで打ち手を分けることが必要です。そのうえで、各対応の期限(48時間・11暦日、およびA-to-zクレームの異議申し立て期限はセラーセントラルのヘルプで確認)を守ることが核心です。FBAは配送起因の不良を自動除外できますが商品品質は対象外です。停止予告が届いたらPOAをAmazonが提示する期限内に提出してください。

この記事のテーマ(規約対応・アカウント健全性の回復)は、セラサポで直接解決できる範囲ではありません。しかし、売上・注文・転換率を毎日自動で把握する環境を整えておくと、ODRの悪化に早く気づけます。セラサポの詳細はこちら

よくある質問

ODRが1%を超えるとすぐアカウントは停止されますか

即座に停止されるわけではありませんが、出品権限の一時停止リスクが生じます。停止予告が届いた場合はAmazonが提示する期限のある対応が求められるため、早期の原因特定と是正が重要です。

商品レビューの★評価はODRに影響しますか

影響しません。ODRに関係するのは出品者評価(セラーフィードバック)のみで、商品ページの5段階レビューは別指標です。購入者が誤って商品への不満を出品者評価に書き込むケースがあるため、混同しないよう注意が必要です。

低評価のフィードバックは削除できますか

削除依頼が認められるのは、規約違反に該当する場合のみです。具体的には、卑猥な表現や個人情報の記載、商品レビューの内容に終始しているといったケースが該当します。「単に不当だと感じる」という理由だけでは削除対象になりません。

FBAに切り替えればODRは改善しますか

配送遅延・紛失・破損などの配送起因の不良は改善が見込めますが、SNAD(商品説明との相違)や品質問題はFBAでも出品者責任として残ります。ODR上昇の主因が配送か商品品質かを先に切り分けることが必要です。

A-to-zクレームへの対応で最も重要な期限は何ですか

購入者が出品者に連絡してから48時間で申請ボタンが表示されるため、できれば24時間以内の返信・解決がクレーム化を防ぐ分水嶺になります。認定された申請への異議申し立て期限は、セラーセントラルのA-to-zクレームヘルプでご確認ください。

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