
ACOSが高い・下がらない時の改善手順
公開: 2026/7/31 / 更新: 2026/8/2
目次
ACOSが下がらないときは、入札額をいじる前に**「①在庫切れ・カート獲得の喪失→②検索語句レポートの無駄クリック→③商品ページのCVR→④入札額・マッチタイプ」**の順で確認するのが定石です。ACOSは「CPC(クリック単価)÷(CVR×商品単価)×100」に分解でき、悪化の原因はCPC上昇かCVR低下のどちらか、または両方に必ず絞り込めます。原因を特定しないまま入札だけを下げても、多くの場合ACOSは改善しません。
ACOSとは何か、なぜ分解して考える必要があるのか
ACOS(Advertising Cost of Sales)とは、広告費を広告経由の売上で割った比率で、「ACOS(%) = 広告費 ÷ 広告経由売上 × 100」で計算します。数値が低いほど広告効率が良いことを示します。
さらにこの式は「ACOS = CPC ÷(CVR × 商品単価)× 100」に分解できます。分子のCPCが上がるか、分母のCVRまたは単価が下がれば、ACOSは必ず悪化します。つまりACOSが高いという状態は、原因が2種類のどちらかに集約されるということです(出典: funnel-inc)。
POINTPOINT ACOSが悪化したら、まず「CPCが上がったのか」「CVRが下がったのか」を切り分けます。CPC要因なら入札・掲載枠・競合状況を疑い、CVR要因なら商品ページ・在庫・価格を疑います。目標ACOSの決め方は「損益分岐ACOSの計算方法」で詳しく解説しています。
診断は「露出→クリック→転換→採算」の4段階で
ACOSが崩れているとき、どの段階でつまずいているかを特定してから対策を打つのが基本です。
| 段階 | 見る指標 | 崩れているサイン |
|---|---|---|
| 露出 | インプレッション・掲載面・検索語句 | そもそも広告が表示されていない |
| クリック | CTR・CPC | 表示されてもクリックされない/CPCが高騰 |
| 転換 | CVR・注文数 | クリックされても購入されない |
| 採算 | ACOS・ROAS・TACOS・粗利 | 売れていても赤字になっている |
この4段階のうち、①ACOSだけで全キャンペーンを一律に評価する、②平均CPCだけを下げにいく、③代理店から届く「改善しました」という報告を数値で確認せずに信じる——この3つは避けるべき判断とされています(出典: goaltech)。
セラサポでできること
手数料がいくら引かれたか、商品ごとに見えていますか
セラサポなら、販売手数料・FBA配送料・保管料を商品ごとに集計します。原価を登録すれば「この商品は広告費をいくらまで使えるか」まで自動で出ます。
30分でできるACOS診断チェックリスト
原因を絞り込むための時間配分の目安です。
| 時間配分 | 確認項目 | 具体的に見ること |
|---|---|---|
| 5分 | 商品ページ | 在庫切れの有無・価格・レビュー数・メイン画像・商品名・配送条件 |
| 5分 | 入口(クリック) | CTRが低いキャンペーン・掲載枠の特定 |
| 10分 | 検索語句 | クリックはあるが購入0の語句/CVRが高い語句/意図違いの語句を仕分け |
| 5分 | 採算 | ACOS・ROAS・CPC・平均注文額から赤字要因を切り分け |

改善の着手順は「止める→直す→調整」
入札額をいじるのは最後です。順番を間違えると、無駄クリックを放置したまま入札だけ下げて機会損失を招きます。
① 止める:無駄な広告費の遮断
まず在庫切れ・カート獲得の喪失がないか確認します。商品ページが在庫切れになるとスポンサー広告も自動的に非表示になりますが、広告を止めずに放置するとインプレッションだけが積み上がりACOSが悪化します。

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在庫切れ間近の広告は止めるべきか
在庫切れ直前の広告運用は「止める/止めない」の二択ではなく在庫日数で段階調整するのが実務の主流です。広告タイプ別の挙動差と再開後の順位回復手順を解説します。
在庫切れの見落としがACOS悪化の典型要因です(出典: itsumo365)。
次に検索語句レポートを確認し、クリックはあるが購入0の語句を除外キーワードに追加します。マッチタイプは除外完全一致・除外フレーズ一致の2種類のみで、目安は20クリック以上たまってから判断し、週1回のペースで見直すのが基本です。詳しい分類方法は「Amazon広告の除外キーワード設定と削除の手順」にまとめています。
ここまでが手作業での確認手順です。セラサポの「SP広告 成果分析」では、検索用語別・配置別に自動で分解した実績を毎日見られるため、無駄クリックが起きている語句を毎回手作業で洗い出す必要がありません。
② 直す:CVRの底上げ
CVRが低いまま入札額だけを上げてもACOSは改善しません。CVR改善はメイン画像・タイトル・レビュー数・価格競争力など商品ページ側の要因に依存しており、広告の管理画面の調整だけでは解決できないためです(出典: grooveinc)。

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Amazonメイン画像のルールとCVRへの影響
amazon.co.jpのメイン画像規約を確認し、MYEを使った公式A/Bテストとブランド未登録時の前後比較の手順を解説します。
③ 調整:入札額・マッチタイプ・キャンペーン構成
無駄クリックを止め、CVR側の要因を潰したうえで、最後に入札額を粗利ベースの上限値まで寄せます。
| 逆算式 | 計算方法 | 例 |
|---|---|---|
| 目標CPC | 販売価格 × 目標ACOS × 想定CVR | 3,000円×20%×2%=12円 |
| 許容CPC | 1注文あたり許容広告費 × CVR | 600円×10%=60円 |
この上限を超えて入札しているキーワードから優先的に引き下げます。新商品の初期入札の決め方は「Amazon広告の予算設定のやり方と超過時の対処」で扱っています。
マッチタイプは段階的に育てるのが定石です。
| 段階 | 目的 |
|---|---|
| オートターゲティング | 2〜4週間データ収集。ACOSが高くても検索需要の発掘を優先 |
| 部分一致 | 発掘した語句を登録し、ACOSをコントロールしながらデータ蓄積 |
| フレーズ一致 | 成果が出た語句に絞り精度を上げる |
| 完全一致 | 注文が安定発生し、かつACOSが目標値以内の語句だけ昇格し集中投資 |
キャンペーン構成は「①オート(新規検索語・掲載面の探索)→②手動キーワード(完全一致・フレーズ一致・部分一致を分離管理)→③商品ターゲティング(競合ASIN・関連カテゴリで拡張)」の3層がシンプルな基本形です。複雑すぎる構成は予算分散を招き、ACOS悪化につながりやすくなります。
入札戦略はキャンペーン単位で3種類から選びます。
| 戦略 | 特徴 | 向いている運用 |
|---|---|---|
| 動的な入札-ダウンのみ | 成約可能性が低いと最大−100%まで引き下げ | 立ち上げ〜ACOS重視期 |
| 動的な入札-アップとダウン | 成約可能性が高いと引き上げ、低いと引き下げ | データ蓄積後の売上最大化 |
| 固定額入札 | 自動調整なし | 認知拡大・ブランド防衛 |
無駄クリックの除外や入札額の見直しが終わったら、実際にキャンペーンへ反映する作業が残ります。セラサポの「SP広告 キャンペーン管理」なら、実績を見ながら同じ画面で日予算・入札額の変更や配信のオン/オフができ、変更履歴と効果検証も自動で残るため、変更したこと自体を忘れて放置する事故を防げます。
ACOSだけでなくTACOS・損益分岐も併せて見る
ACOS単体の最適化は局所最適に陥りやすい指標です。ACOSが良好でも事業全体の広告依存度が上がっている場合があり、その判断にはTACOS(広告費÷全体売上)を併用します。目標ACOSの設計は損益分岐ACOS(「損益分岐ACOSの計算方法」)から逆算し、TACOSの読み方は「TACOSが下がらない原因と改善の考え方」で解説しています。
なお、新商品のローンチ期はレビュー数・検索順位が低いためACOSが自然に高くなります。最初の数週間は売上実績・レビューを積み上げる優先度が高く、機械的に入札を絞ると機会損失になりかねません。ローンチ期の進め方は「新商品発売30日の初速の作り方」で扱っています。
注意点
ACOSを早く下げたいという焦りから、レビュー投稿と引き換えに割引・返金を提供したり、評価内容を誘導したりする事業者が存在します。しかしこれはAmazonのレビューポリシーが禁止する行為に該当し、購入履歴やIPアドレスの関連性からシステムに検知されやすいとされています。安全な代替は公式の「レビューをリクエスト」機能を中立的な文言で使うことです。詳しいルールは「Amazonレビュー依頼を自動化する方法と規約の範囲」にまとめています。この方法は推奨しません。
また、粗利率が異なる商品を同一キャンペーンで運用していると、ACOSを一律で判断してもどちらの商品にとっても最適化できません。粗利率が近いSKUでキャンペーンを分けることも、あわせて検討してください。
まとめ
ACOSが下がらないときは、入札額をいじる前に在庫切れ・無駄クリック・商品ページのCVRを順番に確認することが近道です。ACOSは「CPC÷(CVR×商品単価)」に分解でき、原因がCPCかCVRかを特定してから対策を選ぶと、無駄な入札調整を避けられます。目標ACOSは損益分岐ACOSから逆算し、TACOSも併せて事業全体で判断してください。
よくある質問
ACOSは何%が目安ですか
一律の正解はありません。粗利率から算出する損益分岐ACOSを基準に、確保したい利益率を差し引いて目標ACOSを決めるのが基本です。詳しい計算方法は「損益分岐ACOSの計算方法」で解説しています。
入札額を下げればACOSはすぐ下がりますか
CVRが低い状態のままだと下がらないことが多いです。CVR改善はメイン画像・タイトル・レビュー数などの商品ページ側の要因に依存するため、広告の入札調整だけでは解決しません。
新商品はACOSが高くても問題ないですか
ローンチ期はレビュー数や検索順位が低いため、ACOSが一時的に高くなること自体は想定内です。ただし日次予算の上限は必ず設定し、無制限に消化させないよう管理する必要があります。
除外キーワードはどのくらいの頻度で見直すべきですか
検索語句レポートは週1回の確認が基本です。20クリック以上たまった語句のうち、購入につながっていないものから除外完全一致で外していきます。
ACOSとTACOSは何が違いますか
ACOSは広告経由の売上に対する広告費の比率で、キャンペーン単位の効率を測ります。TACOSは広告費を総売上(オーガニック含む)で割った比率で、事業全体の広告依存度を測ります。ACOSが良好でもTACOSが下がらない場合は、オーガニック売上比率がそもそも伸びていない可能性を疑います。
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