Amazon広告の除外キーワード設定と削除の手順

Amazon広告の除外キーワード設定と削除の手順

公開: 2026/7/20 / 更新: 2026/8/2

スポンサープロダクト(検索結果や商品ページに個別の商品を表示する広告)の除外キーワードは、検索語句レポート(どの検索語句から広告がクリックされたかが分かるレポート)をもとに設定する機能です。「クリックはあるが売れない語句」を広告表示から外し、無駄なクリック費用を止められる、Amazon公式の機能です。除外に使えるマッチタイプ(除外条件の一致のさせ方の種類)は、除外完全一致と除外フレーズ一致の2種類のみです。規約上のリスクもありません。目安として20クリック以上たまった語句を、週1回のペースで見直すのが基本の運用です。

除外キーワードとは何か

除外キーワード(除外ターゲティング)とは、広告を表示させたくないキーワードや商品、ブランドをあらかじめ指定し、無関係な検索に対する広告表示と費用発生を止める仕組みです。スポンサープロダクトとスポンサーブランド(検索結果の上部にロゴと複数商品をまとめて出す広告。ブランド登録(自社の商標をAmazonに登録して、商品ページの保護や専用機能を使えるようにする制度)が必要です)のどちらにも設定できます。設定の単位には、キャンペーン(広告の予算や掲載期間をまとめる大きな単位)全体に適用する方法と、そのキャンペーンの中身をさらに細かく分けた広告グループ単位で適用する方法の両方があります。設定はいつでも削除・変更できるため、一度決めた除外語句を固定する必要もありません。

POINT

POINT 除外キーワードは正規のターゲティング機能です。除外商品ターゲティング(ASIN除外)と組み合わせれば、成約見込みのない競合商品へのクリックも同時に止められます。ASINとは、Amazonが商品1つずつに割り当てている10桁の商品コードです。

マッチタイプは2種類だけ

除外に「部分一致(ブロード)」は存在せず、次の2つだけで運用します。

マッチタイプ動き
除外完全一致設定語句と検索語句が完全一致した場合のみ非表示(クローズバリアント(複数形・送り仮名違いなど、Amazonが同一視する表記揺れ)を含む)「メンズ」を除外しても「メンズ シューズ」は除外されない
除外フレーズ一致登録フレーズが検索語句のどこかに同じ語順で含まれれば非表示「メンズ シューズ」を除外すると「レザー メンズ シューズ」も除外される

除外フレーズ一致は、ブロックする範囲が広い方法です。そのため、まず除外完全一致でピンポイントに止め、明らかに不要と確信できた語句だけを段階的にフレーズ一致へ広げるのが定石です。いきなり広い除外を設定すると、想定していなかった有効な検索語句まで巻き込んでしまいます。

セラサポでできること

その広告費、いくらまで使ってよいか決まっていますか

セラサポは商品ごとに損益分岐ACOS(赤字になる境目)を自動計算します。深夜に溶けている広告費や予算切れの日数も金額で出るので、直す場所がすぐ決まります。

除外の判断基準:クリック数とACOSの2軸

ACOS(広告費 ÷ 広告経由の売上。広告の費用対効果を表す指標です)を基準に加える運用が、実務では広く使われています。

検索語句レポートを毎週確認し、目標ACOSの2倍を超える語句を除外する運用は、代行会社(Amazonでの販売運用を請け負う会社)を中心に実務で広く取り入れられています。

目標ACOSの決め方は、損益分岐ACOSから逆算するのが基本です。損益分岐ACOSとは、販売価格から販売手数料・FBA(Amazonの倉庫に商品を預けて保管・配送を任せる仕組み)手数料・原価を引いた広告前利益率のことです。

こちらの記事もご参照ください

損益分岐ACOSの計算方法|手数料込みで逆算

損益分岐ACOSは原価だけでなくAmazon手数料まで引いて算出します。計算式・具体例・目標ACOSの決め方を数字つきで解説します。

判断軸目安の数字出典の位置づけ
クリック数20クリック以上で評価開始実務での経験則
データ収集期間最低30日、理想は60〜90日実務での経験則
ACOS基準目標ACOSの2倍超で除外候補実務での経験則
除外後の様子見2週間以上運用してから再判断実務での経験則

まず自社の検索語句レポートを確認して実態を把握することが先決です。

除外キーワードの設定手順(セラーセントラル)

キャンペーンへの追加

  1. セラーセントラルにログインし、「広告」→「キャンペーンマネージャー」を開く
  2. 対象のキャンペーンを選び、「除外キーワード」タブをクリックする
  3. 「除外キーワードを追加」から語句を入力し、マッチタイプを選ぶ(除外完全一致 / 除外フレーズ一致)
  4. 「保存」を押すと即時反映される

キャンペーンレベルに設定すると、そのキャンペーン内のすべての広告グループに適用されます。特定の広告グループだけに絞りたい場合は、広告グループレベルで設定してください。

除外キーワードの削除手順

  1. 「除外キーワード」タブで、削除したい語句の行にチェックを入れる
  2. 「アクション」→「除外キーワードを削除」を選ぶ
  3. 確認画面で「削除」をクリックする

削除は即時反映です。削除後、その語句への広告表示は再開されます。設定を誤った場合でもすぐに元に戻せます。

週次の運用サイクル

週1回のサイクルを回すことで、無駄クリックの積み上がりと除外しすぎの両方のリスクを抑えられます。

  1. 検索語句レポートを週1回ダウンロードする(セラーセントラルの「広告レポート」から取得)
  2. 「20クリック以上×注文0件」または「ACOSが目標ACOSの2倍超」の語句を抽出する
  3. 抽出した語句を、まず除外完全一致で追加する
  4. 2週間以上運用し、インプレッション(広告が表示された回数)・売上の変化がないか確認する
  5. 明らかに不要と確信できた語句だけを除外フレーズ一致へ拡張する
  6. オートキャンペーン(Amazonが自動でキーワードを選んで広告を出す設定)で成約した(実際に注文につながった)語句は、手動キャンペーン(出品者自身がキーワードを指定する設定)の完全一致(その語句とまったく同じ検索にだけ広告を出す設定)へ昇格させる(正式に追加する)

この作業は、広告コンソールとExcelを往復しながらの照合が中心になります。複数のキャンペーンを持つアカウントでは、レポートのダウンロードと集計だけで1〜2時間かかることもあります。

広告の成績(商品別)

セラサポの広告画面では、商品ごとの広告費・広告経由売上・ACOS・TACOS(広告費 ÷ 商品全体の売上)を1枚の表で確認できます。TACOSは広告経由だけでなく、全体の売上に対する広告費の重さを見る指標です。検索語句・ターゲティング・掲載枠(広告が表示される場所)・キャンペーン別の内訳も表示されます。そのため、「どの語句が無駄クリックを生んでいるか」をExcelなしで見つけられます。広告画面のデモはこちらからご確認ください。

POINT

POINT 検索用語インプレッションシェア(STIS。そのキーワードの広告表示機会のうち、自社の広告が実際に表示された割合を示す指標です)を併用すると、「入札で負けて露出が少ないだけの語句」と「露出はあるのに無駄クリックを生んでいる語句」を切り分けられます。前者は除外ではなく、入札単価(広告が1クリックされた時に支払ってよい上限額)の調整が先です。

除外設定後の効果確認

除外設定後は、数字の変化を追いかけることが重要です。ACOSが改善していても、売上自体が大きく落ちていないかを確認する必要があります。

広告の成績(日別)

セラサポの日別グラフでは、広告費・広告経由売上・ACOSの推移を日単位で確認できます。除外キーワードを追加した日を起点に、広告費が下がりつつACOSが改善しているかを視覚的に追えます。施策前後の比較が1画面で完結するため、週次の確認コストを抑えられます。

クロスネゲーションでオートと手動の共食いを防ぐ

オートターゲティングのキャンペーンで成約した語句を手動キャンペーンの完全一致へ昇格させる際は、注意が必要です。同じ語句をオート側でも除外完全一致に追加しておく運用が定石とされています。これを怠ると、自社の複数キャンペーン同士が同じ語句に入札し合うことになります。その結果、クリック単価が不必要に上昇する内部カニバリ(自社キャンペーン同士の入札競合)が起きます。

この運用は「クロスネゲーション」と呼ばれます。

こちらの記事もご参照ください

広告とオーガニックの共食いは起きるのか

Amazon広告が既にオーガニックで売れていた分を食っていないか、入札引き下げテストとTACOSで検証する方法を実例つきで解説します。

なお、Google広告にあるような「共有除外キーワードリスト」の純正機能はAmazon広告には存在しません(2026年7月時点)。複数キャンペーンへ一括反映する仕組みはサードパーティツールが独自に実装しているだけです。Amazonアカウント自体には保存されない点に注意が必要です。

除外設定でよくある失敗

除外キーワードは規約リスクのない正規機能ですが、運用ミスによる機会損失は起きやすい打ち手です。

失敗パターン何が起きるか
少クリックでの早期除外統計的に意味のない判断で有望な語句を潰す
商品を出し始めたばかりのローンチ期(立ち上げ期)の機械的除外一時的にACOSが高いだけの語句を切り、将来の売上機会を失う
自社ブランド名の誤除外購入意欲の高い指名検索(自社のブランド名で検索されること)を自ら遮断する
フレーズ一致の広すぎる設定想定外の有効な検索語句まで巻き込む
バルクでの一括大量登録見直しが煩雑になり有効語句を誤って除外しやすい

特にツールによる自動除外は、高ACOSというだけで機械的に語句を切ってしまい、ローンチ期の機会損失を招きやすい点に注意が必要です。除外設定自体の規約違反は確認されていませんが、判断は人が最終確認する運用が安全です。

日本語のセラーフォーラムには、単一の一般的な語を除外完全一致にしただけで注文が入らなくなったという投稿もあります。原因は解明されておらず、設定の誤認や他要因が重なった可能性も否定できません。除外の影響範囲を正しく理解せずに広い語句を外すのは避けてください。

まとめ

除外キーワードは、検索語句レポートをもとに無関係なクリックを止める正規の広告機能です。判断基準は「20クリック以上」「目標ACOSの2倍超」の2軸です。週1回のレポート確認と2週間以上の様子見をセットにするのが安全な運用です。除外完全一致から始めてフレーズ一致へ段階的に広げ、オートと手動の間はクロスネゲーションで共食いを防ぎましょう。ローンチ期の機械的な除外や自社ブランド名の誤除外は機会損失につながります。機械的な自動除外に任せきりにせず、人の目で最終確認することが重要です。

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よくある質問

除外キーワードにブロード(部分一致)は使えますか

使えません。除外に対応するマッチタイプは除外完全一致と除外フレーズ一致の2種類のみです。部分一致での除外設定はAmazon広告に存在しません。

除外キーワードは何クリックから設定すべきですか

実務では20クリック以上を獲得してから評価することが一般的とされています。それより少ないクリック数で除外すると、統計的に意味のない判断になりやすいとされています。

除外キーワードを設定するとアカウントにリスクはありますか

ありません。除外ターゲティングはAmazon広告が公式に提供する正規機能で、規約違反にはあたりません。リスクがあるのは規約面ではなく、判断基準を誤って有効な語句まで除外してしまう機会損失の面です。

スポンサーディスプレイでも除外キーワードは使えますか

使えません。除外ターゲティングに対応しているのはスポンサープロダクトとスポンサーブランドのみです。スポンサーディスプレイは除外ターゲティングに対応していません。

オートキャンペーンとマニュアルキャンペーンで同じ語句に入札してもよいですか

推奨されません。オートで成約した語句を手動の完全一致へ昇格させたら、オート側では同じ語句を除外完全一致に設定してください。これは「クロスネゲーション」と呼ばれる運用で、自社内での入札競合とデータ分散を防げます。

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