
購入者へのメッセージはどこまで送れるか|規約の境界線
公開: 2026/7/29
目次
Amazon出品者が購入者に自分から送れるメッセージは、「許可された事前メッセージ」と呼ばれる範囲に限られます。注文完了やカスタマーサービスの対応に必要な連絡だけが対象で、お礼だけの挨拶やマーケティング色のある文面は禁止です。レビュー依頼は自作のメッセージではなく、セラーセントラルの公式「レビューをリクエスト」機能を使うのが最も安全です。
「許可されたメッセージ」とは何か
許可されたメッセージとは、①商品購入について購入者から連絡があった場合、②Amazonストアで自社の商品をすでに購入した購入者に対して、出品者が送信できる連絡のことです。内容は注文を完了するため、またはカスタマーサービスの問い合わせに回答するために必要な連絡に限定されます(出典: セラーセントラル ヘルプ)。
このうち出品者側から自発的に送るものは「許可された事前メッセージ」と呼ばれます。送信できる理由は限定されており、次のようなケースに限られます。
| 送信が認められる理由 | 具体例 |
|---|---|
| 出荷トラブルの解決 | 配送遅延・破損の連絡 |
| 注文完了に必要な追加情報の依頼 | 名入れ内容の確認など |
| 返品に関する質問 | 返品理由の確認 |
| 請求書の送付 | 法人購入者への対応 |
| レビュー・出品者評価の依頼 | 公式リクエスト機能の利用も含む |
| 重量物・かさばる商品の配送日程調整 | 設置サービスの日程確認 |
| 在宅サービスの予約 | 訪問設置・修理の調整 |
| カスタムデザインの確認 | オーダーメイド品の仕様確認 |
POINTPOINT: 送信できるのは「購入者から連絡があった場合」か「注文完了・CS対応に必要な連絡」だけです。感謝の挨拶だけのメッセージや、営業目的の連絡はこの時点で対象外になります。
送信の3条件と守れない場合のリスク
事前メッセージには、内容以外にも守るべき3つの条件があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 送信期限 | 注文後30日以内 |
| 注文番号の記載 | 17桁の注文番号を本文に含める |
| 使用言語 | 購入者が指定した言語 |
セラーセントラルの「購入者に連絡する」またはAmazonの定型文、サードパーティアプリ・APIを使えば、注文番号・翻訳・重要なガイドライン表記が自動で付与されます。手作業でメールを作成するより、こうした経路を使うほうが要件漏れを防げます。
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メッセージに含めてはいけない内容
メッセージの本文には、次のような内容を含めることができません。いずれも公式のガイドラインで明確に禁止されています。
| 禁止される内容 |
|---|
| 注文・出荷の確認(Amazonが代行するため不要) |
| お礼の挨拶のみ、または「問題があればサポートします」だけの文面 |
| マーケティング・プロモーション(クーポンを含む) |
| 高評価・肯定的レビューを促す文言(報酬・割引・払い戻しの提示を含む) |
| 既存レビューの削除・変更を求める文言 |
| 「満足度が高い場合に限り」というレビュー依頼 |
| レビュー・出品者評価の繰り返し依頼 |
さらに、外部リンク(注文完了に必要なhttpsリンクやAmazonへのリンクは可)、Eメールアドレス、配信解除リンク、絵文字、画像トラッキング、購入商品以外の無関係な画像なども要素として認められません。メッセージの余白が最大幅の20%を超える、画像サイズが最大幅の80%を超えるといったスタイル面の規定も定められています。
POINTPOINT: 「高評価をお願いします」といった評価を誘導する文言は、対価の有無に関わらずアウトです。同梱チラシやフォローアップメールのテンプレートも、この一覧と必ず照合してください。
こうした禁止事項に違反すると、Amazon定型文の使用が制限されたり、出品権限が一時的に停止されたりする可能性があります。Amazonは独自の裁量でメッセージ機能そのものを停止する権限を持っています。なお、レビュー操作(高評価誘導やインセンティブ提示など)と判断された場合はさらに重い処分になり得るため、境界線の詳細は「レビュー依頼はどこまで許されるか」で確認しておくと安全です。
Amazon外での連絡は規約違反
SMS、メール直送、LINEなど、Amazonのマーケットプレイス・メッセージ管理を経由しない連絡は規約違反です。同システム内で使われるメールアドレスは自動的に匿名化・削除される仕組みになっており、出品者と購入者は暗号化されたアドレスでやり取りします。

実際にあった手口として、購入者が「Amazon出品者」を名乗るSMSを受け取り、「商品が用意できないのでキャンセル手続きのためLINEで連絡してほしい」という内容だったケースがあります。氏名や注文番号が正確だったため購入者が不安を感じ相談したところ、「SMS等で直接連絡すること自体が規約違反」「LINE誘導は詐欺行為につながる可能性も否定できない」との指摘がありました(出典: Amazonセラーフォーラム(日本))。
添付できるファイル形式もテキスト(.txt)、PDF、Word(.doc/.docx)、画像(.jpg/.gif/.tiff/.bmp/.png)に限られます。名入れ商品などでデザインファイルをやり取りしたい場合でも、この形式に収まらなければAmazon外での対応は規約違反になるため、運用フローを設計する段階でこの制約を前提にしておく必要があります。
POINTPOINT: LINEやSMSへの誘導は、たとえ購入者側から求められた場合でも応じるべきではありません。すべてのやり取りはマーケットプレイス・メッセージ管理の中で完結させます。
レビュー依頼は公式「レビューをリクエスト」が最安全
レビュー依頼を能動メッセージとして自作するのではなく、公式の「レビューをリクエスト」機能を使うのが最も安全な経路です。この機能はお届け日から5〜30日以内、1注文につき1回のみ送信でき、文面はAmazonの定型文に固定されているためカスタマイズできません。1回の依頼で商品レビューと出品者評価を同時に依頼できる点も特徴です。
ただし実務上の投稿率は高くなく、200〜300件のリクエストで約1件のレビューが得られる程度が目安とされています。全注文に送っても大きくレビュー数が伸びるわけではないため、レビュー数を底上げしたい場合は他の合法的な手段との併用を検討する必要があります。
また、注意点としてセラーメッセージ機能と「レビューをリクエスト」を併用すると、アカウントに30日間、能動的なメッセージ送信が制限されることがあります。事前メッセージとレビュー依頼の両方を運用しているクライアントは、この制限を踏まえてスケジュールを組む必要があります。
ここまでが手作業でのレビュー依頼の送信手順です。セラサポのレビュー依頼機能では、注文ごとの送信可否を自動でチェックしたうえで単発送信・一括送信ができ、レビュー実績も自動で集計されます。5〜30日の枠を取りこぼさず使い切りたい場合に、送信漏れの防止に役立ちます。
POINTPOINT: レビュー依頼は自作の文面ではなく公式機能に一本化するのが基本方針です。文言リスクがゼロになり、規約変更にも自動で追従できます。
カスタマーサービスの返信は24時間以内が目安
購入者からの問い合わせに対する初回返信は、土日祝日を含めて24時間以内が要件とされています。即答できない内容であっても、「確認中です」という一次返信だけで要件を満たすとされています。
対応漏れを防ぐには、休日でも一次返信だけは自動で返せる体制を組んでおくことが有効です。返信の遅れは購入者満足度の低下だけでなく、注文不良率(ODR)の悪化にもつながるため、「ODRが上がった原因の切り分け」も合わせて確認しておくとよいでしょう。
違反した場合の処分の重さ
事前メッセージの禁止事項に違反した場合、まずは定型文使用の制限や出品権限の一時停止から始まります。アカウント健全性への警告が来た場合の対応手順は「アカウント健全性警告への対応手順」で詳しく解説していますが、警告と実際の違反は区別して考える必要があります。
一方で、メッセージ内で高評価を誘導したりインセンティブを提示したりする行為がレビュー操作とみなされた場合は、初回でも即座に永久停止・資金凍結に至る可能性があるほど重い処分です。同梱チラシやSNSで割引とレビューを結びつける運用も同じリスクを抱えており、「SNSフォロワー限定割引は規約違反か」で境界線を整理しています。こうした手法を使う事業者も存在しますが、成功時の効果は小さく、失敗時の損失(全売上の停止)が非対称に大きいため推奨しません。
規約解釈に不明点がある場合、記事やブログの独自解釈に頼らず、セラーセントラルの「テクニカルサポートへのお問い合わせ」で個別に確認することが公式に案内されている唯一の確実な手段です。
まとめ
購入者への能動的なメッセージは「許可された事前メッセージ」の範囲に限られ、注文後30日以内・17桁の注文番号・購入者の言語という3条件を満たす必要があります。お礼だけの文面や高評価の誘導、外部リンクや絵文字を含めると規約違反になり、SMSやLINEなどAmazon外での連絡も禁止されています。レビュー依頼は自作せず公式「レビューをリクエスト」に一本化し、カスタマーサービスは24時間以内の一次返信を徹底することが、アカウントを守りながら購入者対応を回す基本方針です。
よくある質問
事前メッセージは注文後何日以内に送る必要がありますか
注文後30日以内に送る必要があります。あわせて17桁の注文番号を本文に記載し、購入者が指定した言語で書くことが要件です。
レビュー依頼と購入者へのメッセージを両方使ってもよいですか
併用は可能ですが、セラーメッセージ機能と「レビューをリクエスト」を両方使うと、アカウントに30日間の能動的メッセージ送信の制限がかかることがあります。運用スケジュールを組む際はこの制限を考慮してください。
添付ファイルはどの形式まで送れますか
テキスト(.txt)、PDF、Word(.doc/.docx)、画像(.jpg/.gif/.tiff/.bmp/.png)に限られます。デザインファイルなどそれ以外の形式をAmazon外でやり取りすることは規約違反になります。
購入者からLINEでの連絡を求められた場合はどうすればよいですか
応じるべきではありません。Amazon外でのやり取りは購入者側からの要望であっても規約違反にあたり、詐欺被害につながるリスクもあります。
カスタマーサービスに即答できない場合はどうすればよいですか
「確認中です」という一次返信だけを24時間以内(土日祝日を含む)に送れば要件を満たすとされています。その後、内容を確認してから本回答を送る運用で問題ありません。
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