Amazon広告キャンペーン構成の作り方|命名ルールと予算配分

Amazon広告キャンペーン構成の作り方|命名ルールと予算配分

公開: 2026/8/7

Amazon広告のキャンペーン構成とは、ポートフォリオ・キャンペーン・広告グループ・ターゲティングという4階層に、どの商品をどう振り分けるかの設計図です。崩れない型は、①商品を役割で先に分類する②1広告グループに1商品を原則にする③命名ルールを最初に統一する④予算はポートフォリオ単位で上限を決める、の4点に集約されます。

Amazon広告の4階層と、それぞれの役割

管理画面の階層は「ポートフォリオ>キャンペーン>広告グループ>ターゲティング(キーワード・商品)」の4段です。キャンペーンは「オート」か「マニュアル」かの方式・開始終了日・1日の予算を決める単位、広告グループはそのキャンペーン内で「どの商品(ASIN)を動かすか」を管理する単位です。

階層決めること
ポートフォリオ複数キャンペーンをまとめ、期間ごとの予算上限を管理
キャンペーンオート/マニュアルの方式、開始・終了日、1日の予算
広告グループどの商品(ASIN)を動かすか、入札額、ターゲティング
ターゲティングキーワード・商品・カテゴリー単位の入札対象

同一広告グループ内の商品は、同じ入札額・同じターゲティングを共有します。目的が異なる商品(例: ある商品はROAS最適化、別の商品は認知目的でインプレッション重視)は、広告グループかキャンペーン自体を分けることが推奨されています(出典: Amazon.co.jp)。

POINT

POINT: 「オート/マニュアルを決めるのはキャンペーン」「商品を割り当てるのは広告グループ」という役割分担をまず頭に入れてください。

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設計の起点は「広告構造」でなく「商品の役割」

崩れにくい設計は、先に商品を役割・ライフサイクルで分類し、あとから広告タイプと予算を当てはめる順で作られます。

  • 新規育成商品: 発売直後で伸び始めている商品。認知獲得が目標
  • 主力商品: 長期的に安定して売れる、売上の柱
  • 伸び代のある商品: 売上は小さいが成長が見込める新商品
  • ロングテール商品: 単価は低いが一定の需要が続く商品

新規育成商品・主力商品は、複数キャンペーンを組み合わせて厚く投資する対象になりやすい層です。パック違い・サイズ違いのバリエーション商品は、パックサイズごとに広告グループやキャンペーンを分けることが推奨されています。「3個入り」と「12個入り」では刺さる検索語が違うためです。

セラサポでできること

その広告費、いくらまで使ってよいか決まっていますか

セラサポは商品ごとに損益分岐ACOS(赤字になる境目)を自動計算します。深夜に溶けている広告費や予算切れの日数も金額で出るので、直す場所がすぐ決まります。

「1広告グループ=1商品」の原則

同一広告グループに複数商品を登録すると、Amazonはコンバージョン率の高い商品を優先的に表示します。商品ごとに均等に露出させたい、商品単位で成果を見たい場合は広告グループを分ける必要があります(出典: kwm)。

関連性の低い商品を1つの広告グループに詰め込むと、露出がCVR最上位の商品に偏ります。他の商品にはデータが溜まらず、入札を上げるべきか下げるべきかの判断材料自体が得られません。

POINT

POINT: 原則は1広告グループに1商品、または関連性の高い少数商品にとどめてください。

オート・マニュアル・マッチタイプを分離する3層構成

オートとマニュアルは併用が定石です。オートで検索語句の候補を収集し、成果の良い語をマニュアルの部分一致・フレーズ一致・完全一致へ段階的に昇格させる運用が理想とされています(出典: anagrams)。マッチタイプを混在させると管理が複雑になるため、マッチタイプ別に分けるのが推奨です。

役割
オート新しい検索語句の発掘(2〜4週間で収集)
マニュアルKW成果の良い語句を部分一致→フレーズ一致→完全一致へ昇格
商品ターゲティング商品ページでの面取りと競合の刈り取り

オートで拾った語句のうち、クリックだけ多く購入につながらない語を除外する作業は次の記事で解説しています。

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商品ページに紐づける商品ターゲティングは、キーワードでは拾えない「比較検討中の顧客」を狙う手段です。競合ASINへの配信を含む使い分けは商品ターゲティング広告の使い方とコンクエスティングで解説しています。

命名ルールを最初に統一する

キャンペーン名・広告グループ名は自由に設定でき後から編集もできますが、だからこそ最初に統一ルールを決めておくことが重要です。ルールが揃っていれば、どの広告がどのターゲティングを使っているかを一覧だけで把握でき、分析の手間が減ります(出典: proteinum)。

広告タイプ命名例
SP(マニュアル・KW)商品名|SP|マニュアル|KW
SP(マニュアル・商品ターゲ)商品名|SP|マニュアル|商品
SP(オート)商品名|SP|オート|商品
SB(商品コレクション)ブランド名|SB|商品C|KW
SB(動画)ブランド名|SB|動画|KW

SB広告はフォーマットが複数あるため、命名で目的を判別できる効果がとくに大きくなります。運用者が複数人になるほど命名ルールの効果は増します。権限の分け方は次の記事もあわせて設計してください。

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ここまでが、キャンペーン一覧を目視で確認しながら命名ルールを揃える手作業の手順です。セラサポの広告キャンペーン管理では、ポートフォリオからターゲティングまでの4階層をツリー表示で確認しながら、その画面から日予算・入札額・配信のオン/オフを直接変更できます。命名がバラバラなキャンペーンを一覧で洗い出し、そのままリネームにつなげられます。

ダッシュボード画面でキャンペーンの実績データを確認するイメージ

ポートフォリオで予算を束ねる

ポートフォリオは複数キャンペーンをグループ化し、設定期間の合計予算上限を超えないよう制御できる機能です。ブランド別・目的別(新商品育成用・定番維持用・セール時用など)に切っておくと、キャンペーン数が増えても「どの塊にいくら使っているか」を一目で把握できます(出典: proteinum)。

POINT

POINT: ポートフォリオは予算管理の単位であると同時に整理の単位です。手に負えなくなってからでなく、設計段階で枠を決めておくと後が楽になります。

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予算配分と予算ルール、暴走を防ぐ仕組み

日予算は月間で平均化され、トラフィックが多い日は最大25%増しまで支出されることがあり、多く使った分は少ない日で調整されます。1ヶ月の予算目安は「1日の予算×その月の日数」、見直しは少なくとも2週間に1回が推奨されています(出典: anagrams)。

予算ルール内容
スケジュールに基づくルールセール期など特定期間にあらかじめ予算の増減を設定
パフォーマンスに基づくルールROAS・CTR・CVRが目標値に達したら予算を自動調整

「効率」ベースの予算ルールは対象キャンペーンの日予算が600円以上必要とされていますが、仕様変更の可能性があるため設定前にセラーセントラルの料金表で確認してください。予算ルールは、キャンペーンが目的別に整理されて初めて活きる機能です。

POINT

POINT: Amazon広告には月額上限で自動的に止まる機能がありません。推奨された増額に機械的に従うと、売上が伴わないまま広告費だけが膨らみます。

日用雑貨を扱うセラーが日予算をAmazonの推奨に従って引き上げ続けた結果、初期予算500円が2万円、3万円と増加し、売上10万円未満に対し広告請求額が59万円に達した事例がセラーフォーラムに投稿されています。Amazon側は推奨予算への追従を強制していないとの立場でした(出典: Amazonセラーフォーラム(日本))。

日予算上限を先に決め、推奨増額を機械的に受け入れない運用ルールをセットで作っておくことが重要です。セラサポの予算内に押さえる機能では、「今月この額に収める」と決めた金額から日予算を過去の消化率にもとづいて逆算し、一括で作り直せます。

電卓とコインで予算計算をしているイメージ

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SP・SB・SDの役割分担と配分モデル(一例)

SPは商品単品を商品ページへ誘導する刈り取り型、SBは同一ブランドの複数商品をロゴ・コピーで検索結果に表示する認知型、SDは購買行動データにもとづき離脱ユーザーを呼び戻すリターゲティング型です。この役割分担でキャンペーンを分けるのが定石です。

ある広告代理店の記事では、月間広告予算100万円のモデルケースとしてSP60万円・SB25万円・SD15万円という配分比率と、SP単独から3種類を組み合わせた運用に移行後に広告経由売上が平均1.8倍、TACOSが約15%低下したという改善事例が紹介されています(出典: link-ecconsulting)。ただし特定の代理店1社の自社実績で独立した裏付けはなく、初期仮説として粗利率・ブランド認知度に応じて調整してください。

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実行手順まとめ

  1. 商品を役割別(新規育成・主力・伸び代あり・ロングテール)に分類する
  2. 役割ごとに広告タイプ(SP・SB・SD)と予算枠を割り当てる
  3. 命名ルールを決める(例: 商品名|広告タイプ|ターゲ方式|ターゲ種別)
  4. 「1広告グループ=1商品」とマッチタイプ別分離でキャンペーン・広告グループを組む
  5. ブランド別・目的別にポートフォリオへ束ね、予算上限を設定する
  6. 日次でACOS・請求額を監視し、推奨増額に機械的に従わない上限ルールを決めておく
  7. 構成が整ってから予算ルール(セール期はスケジュール型、指標連動はパフォーマンス型)を適用する
  8. 2週間に1回は構成全体を見直す

注意点

命名ルールや予算配分そのものは規約上の問題がある領域ではありません。ただし隣接する手法として、SB広告のクリエイティブに競合ブランド名を伏せ字・言い換えで匂わせて挿入し、競合検索からの流入を狙う事業者も存在します。Amazon Adsの審査基準では広告内で競合他社の名前を明示的に挙げることはできないと明記されており、審査で却下される対象です。日本語で確認できる範囲では、却下にとどまらずアカウント停止に至った具体事例は確認できていません。この手法は推奨しません。

なお、商品ターゲティングで競合ASINを指定して配信すること自体は公式の標準機能であり規約違反ではなく、広告表現で競合名を名指しすることとは別レイヤーです。

まとめ

Amazon広告のキャンペーン構成は、商品の役割を先に分類し、1広告グループ1商品とマッチタイプ別分離でキャンペーンを組み、命名ルールとポートフォリオで整理し、予算上限を先に決めてから広げる順で作ると崩れにくくなります。Amazon広告には月額の自動停止機能がないため、推奨増額に機械的に従わない運用ルールを設計段階でセットにしておくことが予算暴走を防ぐ最大のポイントです。

よくある質問

キャンペーンと広告グループ、どちらで商品を分ければいいですか

オート/マニュアルの方式やマッチタイプはキャンペーン単位、実際に動かす商品はその中の広告グループ単位で分けます。目的が異なる商品はキャンペーンごと分けるほうが管理しやすくなります。

ポートフォリオは必ず作る必要がありますか

キャンペーン数が少ないうちは必須ではありません。ただし増えてから作ると整理コストが大きくなるため、設計段階でブランド別・目的別の枠を決めておくことをおすすめします。

命名ルールを途中から変えても問題ありませんか

名称はあとから編集できるため問題ありません。ただし運用者が複数いる場合は、変更のタイミングを共有しないと一覧の判別性がかえって落ちることがあります。

予算ルールはどのタイミングで設定すべきですか

キャンペーンが目的別に整理されたあとに設定してください。整理されていない状態で設定すると、どのルールを適用すべきか判断できず機能を持て余します。

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