MCFの手数料と使い方|FBA在庫で他モール出荷

MCFの手数料と使い方|FBA在庫で他モール出荷

公開: 2026/8/11

MCF(マルチチャネルサービス)とは、Amazon以外の販路で発生した注文を、FBA倉庫に納品済みの在庫からAmazonがピッキング・梱包・配送まで代行するサービスです。課金されるのは配送代行手数料だけで、Amazon内販売にかかる販売手数料(8〜15%程度)は発生しません。ただし1件あたりの配送代行手数料は通常のFBA配送より割高になりやすく、発送元がAmazon表示になる点や代金引換が使えない点など、導入前に確認すべき制約もあります。

MCFとは何か

MCFは、自社ECサイト・楽天市場・Yahoo!ショッピング・実店舗など、Amazon以外の販路で受けた注文について、FBA倉庫にある在庫からAmazonが出荷まで代行する仕組みです。利用するには次の3条件を満たす必要があります。

条件内容
① 出品者登録Amazon出品者としてセラーセントラルに登録済みであること
② FBA利用FBAの利用を開始していること
③ 対象商品MCFで出荷したい商品が現にFBAで販売中であること

出典: Amazon.co.jp

在庫連携システムを使っている場合、Amazonと他モールで併売している商品は注文発生時に自動でMCF出荷指示が送られますが、Amazonでは売らず他モール専用で扱う「専売品」は出荷指示が手動対応になるケースがあります。導入前に連携システム側の設定を確認しておく必要があります。

POINT

POINT MCFは「在庫を一元化できる」サービスであって「配送費が安くなる」サービスではありません。この2つを混同すると、後から割高な配送代行手数料に驚くことになります。

手数料はいくらかかるのか

MCFで課金される費用は配送代行手数料のみです。在庫保管手数料は別途月1回請求されますが、Amazon内で商品が売れたときにかかる販売手数料はMCF経由の注文には発生しません。

費用項目MCF利用時
配送代行手数料発生(サイズ区分・配送速度で変動)
販売手数料(8〜15%程度)発生しない
在庫保管手数料発生(通常のFBA在庫と同じ扱い)
遠隔地追加料金北海道・九州・沖縄・離島向けに1注文あたり40円(2025年9月15日改定で新設)

Amazon公式の料金例では、通常配送(3日)が550〜662円、お急ぎ便(1〜2日)が595〜678円となっています(対象条件は要確認)。実際の適用料金はサイズ区分と配送速度の組み合わせで変わるため、正確な金額はセラーセントラルの料金表で確認してください。(出典: Amazon.co.jp

販売手数料のカテゴリー別の料率差はこちらで解説しています。

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Amazon販売手数料はカテゴリーで何%変わる?

Amazonの販売手数料はカテゴリーごとに5〜15%が中心ですが、突出して高いカテゴリーもあります。料率の考え方と「手取りが少ない」原因の内訳を解説します。

セラサポでできること

手数料がいくら引かれたか、商品ごとに見えていますか

セラサポなら、販売手数料・FBA配送料・保管料を商品ごとに集計します。原価を登録すれば「この商品は広告費をいくらまで使えるか」まで自動で出ます。

通常のFBA配送よりなぜ割高になるのか

セラーフォーラムの実例では、標準2サイズのMCF配送代行手数料が約730円だったのに対し、同サイズの通常FBA配送手数料は約434円でした。同じ商品・同じサイズでも、MCF経由になるだけで配送コストが1.5倍以上になったことになります。(出典: Amazonセラーセントラル ヘルプ

60サイズ相当の商品では、沖縄向けを除きAmazonのセラー配送ラベル購入サービス(マケプレ配送)の方が安くなる場合もあります。全件をMCFに寄せる前に、サイズ区分別・地域別で実額を突き合わせることが欠かせません。

損益分岐:MCFと外部3PLどちらが得か

業者ブログによる独自試算(公式数値ではない点に注意)では、月間出荷件数の規模によって有利不利が入れ替わるとされています。

月間出荷件数MCF目安一般3PL目安有利な方
500〜1,000件月35〜90万円月20〜60万円3PL
1,000〜3,000件月70〜270万円月40〜180万円MCFも選択肢
3,000〜10,000件月210〜900万円月120〜600万円3PL

出典: stockcrew

この試算では「Amazon経由の売上比率が50%以上ならMCFが有利になりやすい」という考え方も紹介されています。他モール分の出荷件数がまだ少ないうちは、別途3PL契約を結ぶより在庫を一元化した方が固定費を抑えやすいということです。

POINT

POINT MCFの採算は「1件あたりの配送代行手数料」だけでなく「外部倉庫費用や在庫の二重持ちコストをどれだけ削減できるか」まで含めて判断する必要があります。

利益額は「販売価格 −(仕入単価+各種手数料+配送代行手数料+在庫保管手数料+その他経費)」で出すのが基本です。MCFは配送代行が割高になりやすいため、この式で出る利益額、つまり広告費に回せる上限がさらに圧迫されます。

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Amazonの純利益は販売価格から仕入原価・手数料・広告費・返品コストまで引いて初めて出ます。仕入れ上限の逆算式と管理手順を数字つきで解説します。

商品ごとの原価・手数料を都度Excelに転記して試算するのは負担になりがちです。セラサポの経費機能では、商品原価や配送代行手数料などの外部経費を登録しておくと、店舗概況の利益計算に自動反映されます。

FBAと自己発送のどちらが得かという判断軸は、こちらで扱っています。

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FBAと自己発送(FBM)、どちらが得かはサイズと回転率で変わります。手数料の内訳とカートボックスへの影響から判断基準を解説します。

倉庫で商品を梱包する作業員

導入前に必ず確認する2つの注意点

代金引換が使えない

2024年9月20日以降、MCFでは代金引換が利用できなくなりました。代引き決済とFBA配送指定が組み合わさった注文は、FBA出荷依頼の時点でエラーになる仕様です。(出典: crossma

対応は次の3択です。

対応内容
配送方法の変更自己配送やヤマトフルフィル等、MCF以外の配送手段に切り替える
顧客への再注文依頼決済方法をクレジットカード等に変更して再注文してもらう
注文キャンセル対応できない場合はキャンセル処理する

他モールでまだ代引きを提供している場合は、決済手段の切り替えか、代引き注文だけ自己配送に振り分ける運用を事前に設計しておく必要があります。

発送元がAmazon表示になる

MCFで発送する荷物は、基本的に発送元が「Amazon」表示となり、梱包もAmazon仕様になります。無地ダンボールを選べる場合もありますが、これは倉庫側の設定次第で、全てのフルフィルメントセンターが対応しているわけではありません。

自社サイトや楽天市場で買ったつもりの購入者が、Amazonから荷物が届くことに戸惑い、問い合わせやクレームにつながるケースがあります。商品ページや特定商取引法に基づく表示で「提携倉庫からの発送」であることを事前に告知しておくことが実務上のリスク対策になります。

長期在庫追加手数料にも要注意

MCF経由で扱う商品も、通常のFBA在庫と同じく長期在庫追加手数料の対象になります。毎月15日時点で保管271日以上の在庫に課金され、366日以上になると単価がさらに引き上げられます(2025年4月15日改定で366日以上は1,000cm³あたり34.239円・税込)。正確な最新単価はセラーセントラルの料金表で確認してください。(出典: Amazonセラーセントラル ヘルプ

MCFで他モール向けの在庫を確保しておこうとして必要以上に多めに納品すると、回転しきらない分がそのまま長期在庫の対象になり、削減したはずの物流コストが保管料で相殺されかねません。

保管日数の判定はセラーセントラルの在庫レポートで手作業でも追えますが、複数SKUを毎月手動でチェックするのは負担になりがちです。セラサポの保管手数料機能では、FBA保管料の月次実績を長期保管料も含めて自動集計するため、271日を超えそうなSKUを見落とすリスクを減らせます。

長期在庫の処分判断や損益分岐の考え方は、こちらでまとめています。

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Amazon FBA保管手数料の確認方法と下げ方

FBA長期在庫追加手数料の発生タイミング・毎月の判定日・処分6択の損益分岐を実務手順とともに解説。在庫コストを早期に把握して対策の優先順位をつけるための記事。

モール別の運用ルール

モール運用上のポイント
楽天市場ヘルプ上、他社フルフィルメント代行の利用自体は容認されている記述がある一方、業者ブログには利用禁止と明言するものもあり、情報源間で記載が食い違っている。楽天出店規約の一次条文を自店で確認したうえで判断する必要がある
Yahoo!ショッピング送り状の差出人欄に、Yahoo!ショッピングで使用しているストア名または特定商取引法に基づく表示上の商号を記載する必要がある。配送日時指定を受け付ける場合は「3日目〜9日目」の範囲で設定する
フリマアプリ手元に商品がない状態での出品を禁止しているアプリが多く、FBA倉庫に納品済みの商品をそのまま出品するとアカウント停止リスクがある。事前に手元で撮影してから納品するなどの対応が必要

楽天市場については、他社フルフィルメント代行そのものを禁止行為とする一次条文は今回の調査では確認できていません。一方で「注文したモールと異なる発送元から荷物が届くことは、消費者の判断に錯誤を与えるおそれのある表示・行為に該当しうる」という考え方も実務上は存在します。こうした運用を続ける事業者も存在しますが、無地梱包の設定(対応倉庫限定)と事前告知を徹底したうえで、自店の規約を確認しながら判断することを推奨します。MCF利用自体を理由とした楽天でのアカウント停止事例は、今回の調査では確認できませんでした。

導入の実行手順

  1. 他モール・自社ECの月間出荷件数と平均サイズ区分を集計する
  2. MCFの配送代行手数料(サイズ区分別)と、現行の3PLや自己配送の実費を突き合わせる
  3. 代引き比率と遠隔地(北海道・九州・沖縄・離島)向けの比率を確認し、追加コストを織り込む
  4. 在庫連携システムで、併売品の自動出荷と専売品の手動出荷の設定を確認する
  5. 商品ページや特定商取引法に基づく表示に「提携倉庫(Amazon)からの発送」である旨を明記する
  6. 商戦期は配送リードタイムが延びる想定で、配送日表示や配送オプションを調整する

通常配送3日以内・お急ぎ便1〜2日が基本設定ですが、セール時期には通常配送で1週間、お急ぎ便でも5日程度に延びることがあるため、繁忙期は事前に配送日表示を伸ばしておく方が安全です。

まとめ

MCFはFBA在庫を使って自社ECや他モールの注文を出荷代行してもらえる仕組みで、販売手数料がかからない一方、配送代行手数料は通常のFBA配送より割高になりやすいという特性があります。代金引換が使えない点、発送元がAmazon表示になる点は導入前に必ず確認し、長期在庫追加手数料の対象にもなることを踏まえて在庫量を調整してください。件数規模やAmazon経由売上比率によって外部3PLとの有利不利が入れ替わるため、導入前に実額での試算を行うことが欠かせません。

よくある質問

MCFの手数料に販売手数料は含まれますか

含まれません。MCFで課金されるのは配送代行手数料のみで、Amazon内販売にかかる販売手数料(8〜15%程度)はMCF経由の注文には発生しません。ただし在庫保管手数料は通常のFBA在庫と同様に別途請求されます。

MCFで代金引換の注文は出荷できますか

できません。2024年9月20日以降、代金引換とFBA配送指定が組み合わさった注文はFBA出荷依頼の時点でエラーになります。決済方法の切り替えか、自己配送への切り替えで対応する必要があります。

MCFの発送元はAmazonと表示されますか

基本的にAmazon表示・Amazon仕様の梱包になります。無地ダンボールを選べる場合もありますが、これは倉庫側の対応状況次第で、全ての倉庫で選べるわけではありません。

MCFと外部3PL、どちらを選ぶべきですか

月間出荷件数の規模によって変わります。件数が少ないうちはMCFの方が固定費を抑えやすい傾向がある一方、件数が数千件規模まで増えると外部3PLの方が有利になりやすいという業者試算があります。実際にはサイズ区分別・地域別の実額で試算して判断してください。

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