Amazon FBA保管手数料の確認方法と下げ方

Amazon FBA保管手数料の確認方法と下げ方

公開: 2026/7/20 / 更新: 2026/8/2

FBA保管手数料を下げるために、まず押さえておきたい分岐点があります。保管271日目から長期在庫追加手数料(Amazonの倉庫に長期間残っている在庫に対して、通常の保管手数料に上乗せでかかる手数料です)が発生し始め、366日目で単価がおよそ2倍に跳ね上がるという仕組みです。この分岐点を先回りして手を打つことが、実務のポイントになります(詳細はセラーセントラルヘルプの長期在庫手数料ページでご確認ください)。

判定は毎月15日に行われます。そのため、前月14日までに返送・廃棄・値下げのいずれかを決めておく必要があります。放置すればするほど手数料は加速度的に積み上がるため、早めの判断が最も効きます。

まず、セラーセントラルで現状の保管費用を確認してから処分方針を決めます。

FBA保管手数料の確認方法

FBA(Amazonの倉庫に商品を預けて、保管・配送・カスタマー対応を任せる仕組み)の保管手数料は、セラーセントラルの以下の画面で確認できます。

レポートで保管日数を確認する

セラーセントラル → レポート → フルフィルメント → 「在庫管理レポート」を開きます。商品ごとの保管日数・体積・直近90日の販売数が一覧で確認できます。長期在庫追加手数料の予測額は、セラーセントラルのフルフィルメントレポート内の長期在庫関連レポートで別途確認できます。レポートの正式名称はセラーセントラル上でご確認ください。

請求額を確認する

実際に課金された金額は、セラーセントラル → レポート → 支払い → 「取引明細書」で確認できます。「FBA在庫保管手数料」「FBA長期在庫追加手数料」の行を探してください。

FBA料金シミュレーターで試算する

出品管理画面からFBA料金シミュレーターを開くと、ASIN(Amazonが商品1つずつに割り当てている10桁の商品コード)ごとの保管料と配送代行手数料(Amazonが商品の梱包・発送を代行する費用です)の概算を確認できます。しきい値(271日や366日といった、手数料が変わる基準の日数のラインのことです)を超えた場合の追加手数料の試算にも使えます。

SKU(出品者が自分で付ける商品の管理番号)数が多いと、こうした確認作業を毎月手作業で回すのは負担が大きくなります。保管日数に近い在庫を絞り込むには、在庫数が多いのに売れていない商品を特定する必要があります。セラサポでは、その絞り込みをASIN単位でまとめて確認できます。

商品ごとの売上

セラサポの「商品ごとの売上」画面では、ASIN別の売上・アクセス数・購入転換率(商品ページを見た人のうち、実際に購入した人の割合です)・在庫数をまとめて確認できます。在庫数が多いのに購入転換率が低い商品(=長期在庫になりやすい商品)を一覧で把握できるため、しきい値に近い在庫の絞り込みが早くなります。セラサポの詳細はこちら

長期在庫追加手数料とは何か

長期在庫追加手数料とは、フルフィルメントセンター(以下FC。Amazonが商品を保管・出荷する倉庫のことです)に一定期間以上滞留した在庫に対して、通常の月次保管手数料に上乗せで課される手数料です。判定基準は保管日数で、日本では271日目から対象になります。

Amazonは毎月15日に在庫スキャンを実施し、その時点で271日を超えている在庫に手数料を課します。その月の請求を止めたいなら前月14日までに返送や廃棄の手続きを終えておく必要があります。

POINT

POINT 271日は「最初の壁」、366日は「単価が跳ね上がる壁」です。どちらも判定は毎月15日なので、前月14日が実質的な締切になります。

長期在庫追加手数料の単価は保管日数が長くなるほど段階的に上がります。2025年4月15日の改定で366日以上の単価は10cm³あたり34.239円(税込)に引き上げられました(出典: Amazonセラーセントラル ヘルプ)。

保管日数単価(10cm³あたり・税込)備考
271〜365日セラーセントラルの料金表でご確認ください
366日以上34.239円公式フォーラム告知と一致

さらに2026年4月15日以降は、新しい最低手数料ルールが導入される予定です。保管365日を超えた在庫(メディア商品(本やDVD、CDなどのカテゴリーです)を除く)に対しては、「体積ベースの計算額」と「1個あたり最低20円」のうち高い方が請求されます。メディア商品の最低手数料も10円から20円に引き上げられます(初回請求は2026年4月22日)。この情報もAmazon公式の一次確認が完了していないため、目安として捉えてください。

セラサポでできること

手数料がいくら引かれたか、商品ごとに見えていますか

セラサポなら、販売手数料・FBA配送料・保管料を商品ごとに集計します。原価を登録すれば「この商品は広告費をいくらまで使えるか」まで自動で出ます。

繁忙期は保管単価そのものが上がる

長期在庫の話とは別に、10〜12月の繁忙期は月次保管手数料の単価自体が上がります。サイズ区分ごとに変わるため、最新の料率はセラーセントラルの料金表でご確認ください。

そのため、回転の遅い在庫を9月末時点で大量に抱えている場合は注意が必要です。繁忙期の高単価に突入する前に、値下げや返送で在庫の体積を圧縮しておくと、保管料の節約効果が大きくなります。

在庫日数(今の販売ペースで、手元の在庫が何日でなくなるかを表した日数)を意識しながら発注量を調整することが、長期在庫を作らない根本的な対策です。

こちらの記事もご参照ください

在庫日数の計算と発注点の決め方

在庫日数と発注点の計算式、欠品と過剰在庫の損失比較をFBAの実務ルールとあわせて解説。IPIスコアと保管手数料の閾値から発注判断の基準を示します。

在庫処分の6択とそれぞれの損益分岐

長期在庫の判定日が近づいたら、選択肢は次の6つに整理できます。

選択肢向いているケース注意点
保管継続需要予測がありまだ売れる見込みが高い判定日ごとに手数料が積み上がる
値下げ売り切り手残りがプラスを維持できる価格帯がある手残りがゼロ以下なら廃棄の方がマシ
返送再販路(メルカリ・楽天・自社ECなど)がある手数料は廃棄とほぼ同額だが資産価値を残せる
廃棄(所有権放棄)再販の見込みがなく処分を急ぐ仕入原価がそのまま損失になる
FBA在庫クリアランス損切りの最終手段買取額は商品価格の5〜10%程度と低い
MCF転用(マルチチャネルフルフィルメント:FBA在庫を使って、Amazon以外の注文を発送する仕組み)Amazon以外の販路発送に在庫を使い回せる配送代行手数料が別途かかる

返送と廃棄の手数料はサイズ・重量区分でほぼ同額に設定されています。2025年4月1日の改定で、返送・廃棄どちらの手数料も値上げされました。たとえば200gの商品100点を返送する場合の試算では、改定前の3,000円から改定後は6,000円へと倍増した例があります(出典: sobani)。手数料が同額なら、再販路を持っているセラーは返送の方が資産を残せる分だけ有利になりやすいといえます。

FBA在庫クリアランスプログラムは日本でも2025年3月1日に導入されました。処理手数料と販売手数料を差し引いた金額が清算されますが、買取額自体が商品価格の5〜10%程度にとどまります。手数料の詳細はセラーセントラルのFBA在庫クリアランスページでご確認ください。自力で再販できる手段があるならそちらの方が回収額は大きくなりやすいです。

損益分岐の考え方は次の式で整理できます。

  • 保管継続の期待利益=予想売上-(販売手数料+FBA配送代行手数料+保管料)
  • 返送・修繕後の期待利益=予想売上-(各種手数料+返送料+修繕費)
  • 廃棄時の損失=仕入原価+廃棄手数料

これらを比較して、保管継続の期待利益が他の選択肢を下回った時点で処分を決断するのが基本の型です(出典: cyber-records)。値下げについても同じ考え方が使えます。広告費とFBA関連手数料を引いた手残りがプラスを維持できる価格までしか下げられないというのが判断基準です。

FBAと自己発送(MFN:Amazonの倉庫を使わず出品者自身が発送する方法)のどちらが費用面で有利かを検討したい場合は、FBA・自己発送のコスト比較も参照してください。

「返送して即再納品」で保管日数はリセットできるのか

長期在庫を一度返送させて、同じ商品をすぐに再納品すれば保管日数がリセットされる、という話を耳にすることがあります。返送・再納品自体はAmazonの正規機能であり規約違反ではありません。

ただし、返送手数料と再納品の配送コストを合計すると、長期在庫追加手数料と同水準かそれ以上かかるケースが多く、実質的な節約効果はほとんどないというのが複数の情報源で一致した見方です。

POINT

POINT 「返送→即再納品」は規約上の問題よりも、コストが割に合わないケースがほとんどです。手数料を計算してから判断してください。

バンドル化で手数料負担率を下げる

低単価×低回転(売れるペースが遅いこと)のSKUは、FBA関連手数料が売上に占める割合が高くなりがちです。単品販売では、販売手数料・配送代行手数料・保管手数料を合計した負担が売上に対して重くなりやすいためです。同じ商品を複数点セットにして販売単価を引き上げると、売上に対する手数料負担率を下げられる場合があります。

バンドル化を検討する際は、FBA料金シミュレーターで単品販売時とセット販売時のASINごとの手数料試算をそれぞれ出してください。実際にどれだけ負担率が下がるかを事前に比較してから切り替えるのが安全です。動きの遅い商品を人気商品と抱き合わせて消化しつつ、客単価を上げる手法として検討する価値はあります。

ただし、セット化によって梱包後のサイズ区分が変わり、かえって保管手数料の区分が上がってしまうケースもあります。セット化の前後でサイズ区分がどう変わるかを、セラーセントラルの料金シミュレーターで必ず確認してください。

実行手順

長期在庫の損益分岐は次の手順で判断します。

  1. FBA在庫管理レポートで保管日数・体積・直近90日の販売数を抽出する
  2. 271日・366日・15か月の各しきい値までの残日数をSKUごとに算出する
  3. 保管継続/値下げ/返送/廃棄/クリアランス/MCFの手取りを比較する
  4. 判定日(毎月15日)から逆算し、前月14日までに手続きを完了する
  5. 「271日超は自動的に返送/廃棄する」設定を有効化し、判断の先送りを防ぐ

なお、FCに15か月以上保管された在庫については、Amazon側が返送または廃棄を強制的に実施することがあります(詳細はセラーセントラルヘルプでご確認ください)。自分でコントロールできるうちに処分方針を決めておく方が、資産価値を残せる可能性が高くなります。

保管日数・体積・販売数の突き合わせは、SKU数が多いほど手作業では追いきれなくなります。

店舗概況(ダッシュボード)

セラサポのダッシュボードでは、売上・販売個数・購入転換率・広告費をまとめて毎日自動更新で確認できます。月末の着地見込み(今のペースが続いた場合に、月末時点で売上がいくらになりそうかという予測です)や、目標に対する進捗も自動で計算されます。保管費用の負担が大きいタイミングでも、全体の収益感をすぐに把握できます。7日間無料で試してみる

根本対策はIPIスコアの維持

長期在庫の個別処分と並行して押さえておきたいのが、IPI(在庫パフォーマンス指標。FBA在庫の健全性を点数にしたもので、低いと納品できる量に制限がかかります)です。IPIは0〜1000のスコアです。セラーセントラルの在庫ダッシュボードで確認できるしきい値を下回ると、在庫保管制限と超過手数料が課されます。

余剰在庫の割合がスコアを下げる主要因になりやすいため、長期在庫の処分はIPI改善にも直結します。IPIスコアは毎週月曜に直近3か月の実績を基に更新されるため、しきい値を割る前に先手を打つことが重要です。

IPIスコアの仕組みと具体的な改善方法については、在庫保管制限とIPIスコアの関係で詳しく解説しています。

よくある質問

長期在庫追加手数料はいつから発生しますか

保管271日目から発生します。判定は毎月15日の在庫スキャンで行われるため、対象から外したい場合は前月14日までに返送や廃棄を済ませる必要があります。

返送と廃棄はどちらが得ですか

手数料はサイズ・重量区分でほぼ同額です。メルカリや楽天などの再販路がある場合は、資産価値を残せる返送の方が有利になりやすいといえます。再販の見込みがない場合は廃棄で構いません。

FBA在庫クリアランスは使うべきですか

買取額が商品価格の5〜10%程度にとどまるため、自力で再販できる手段がある場合はそちらの方が回収額は大きくなりやすいです。他に処分手段がない場合の最終手段として位置づけるのが現実的です。

「返送して再納品」すれば保管日数はリセットされますか

規約違反ではありません。ただし、返送・再納品のコストが長期在庫手数料と同水準以上かかるため、実質的な節約にはならないケースがほとんどです。

まとめ

Amazon FBA保管手数料を下げる実務の核心は、保管271日・366日・15か月という3つのしきい値を把握しておくことです。あわせて、毎月15日の判定日と前月14日の締切も押さえておきましょう。処分の選択肢は保管継続・値下げ・返送・廃棄・クリアランス・MCFの6択で、手残りを比較して決めます。再販路があるなら返送、なければ廃棄が基本方針になります。根本対策としては、IPIスコアの維持が保管制限そのものを避ける近道になります。

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