Amazon FBA返金レポートの見方と申請の手順

Amazon FBA返金レポートの見方と申請の手順

公開: 2026/7/21 / 更新: 2026/8/2

FBA(Amazonの倉庫に商品を預けて保管・配送を任せる仕組み)の倉庫では、時々在庫が紛失したり破損したりすることがあります。このとき、Amazon運営側に責任があれば、同一FNSKU(Amazonが倉庫管理に使う商品識別番号)の商品について交換または返金を申請できます。ただし申請期限が短縮されており、月1回の在庫チェックが実質必須になりました。戻ってくる金額も「販売価格ベース」から「原価ベース」に算出方法が変更されたことで(日本での適用状況はセラーセントラルのヘルプでご確認ください)、以前より少なくなる傾向があります。

FBA紛失・破損の補てんとは何か

FBA紛失・破損補てんとは、Amazon運営または委託配送業者の責任で在庫が紛失・破損した際に、Amazonが交換や返金を行う制度です。交換の場合は、同一FNSKUの新品が届きます。補てん対象になるには、以下の6条件をすべて満たす必要があります(条件の詳細はセラーセントラルのFBA補てんポリシーでご確認ください)。

条件内容
紛失・破損時点でFBA登録済みの商品であること
FBA商品制限・納品在庫要件に準拠していること
納品プランどおりの商品・数量を納品していること
廃棄保留中でない、出品者リクエストやAmazon権利行使での廃棄でないこと
不良品でない・購入者による破損でないこと
申請時点でアカウントステータスが「通常」であること
POINT

POINT: 補てん対象は「Amazon側の過失」に限定されます。自社の不良品や購入者の取り扱いミスによる破損は対象外です。まず在庫調整レポート(在庫が減った理由を「紛失」「破損」などの区分で記録しているレポート)で、紛失・破損の記録があるかを確認するのが出発点になります。

申請プロセスは発生段階によって4分類に分かれ、それぞれ窓口と期限が異なります。①Amazonへの納品に対する補てん、②フルフィルメントセンター(FC)作業に対する補てん、③購入者返品に対する補てん、④返送・所有権放棄(在庫をAmazon倉庫から出す「除去」という手続きの一種で、返送してもらうか、Amazonに処分してもらうかを選べます)に対する補てんです。必要情報を提供しないとAmazonは申請を却下できるため、まず自社のケースがどの分類に該当するかを特定することが最初のステップになります。

倉庫内で棚に積まれた段ボール箱

返金レポートの見方

返金レポートは、セラーセントラルの「レポート」→「フルフィルメント」→「返金レポート」から確認できます。自動補てんが順次拡大されており、FC内の紛失・破損と購入者返品は自動で処理される場合があります。

返金レポートで確認すべき主な項目は次のとおりです。

列名確認すること
Reimbursement Type補てんの種類(FC内紛失・購入者返品など)
Quantity Reimbursed - Cash金銭補てんの数量
Amount per Unit1ユニットあたりの補てん額
Original Return Quantity購入者返品の元の数量

このレポートと在庫調整レポートを突き合わせることで、自動補てんが済んでいるものと手動申請が必要なものを切り分けられます。在庫調整レポートは「レポート」→「フルフィルメント」→「在庫調整」から取得します。「Warehouse damaged(倉庫での破損)」「Lost(紛失)」などの記録があるのに、返金レポートに対応する補てんが見当たらない場合は、手動申請の対象です。

FBAの在庫状況を定期的に確認するついでに、FBA保管料を減らす方法もあわせて見直しておくと、コスト管理が一度に整います。

セラサポでできること

手数料がいくら引かれたか、商品ごとに見えていますか

セラサポなら、販売手数料・FBA配送料・保管料を商品ごとに集計します。原価を登録すれば「この商品は広告費をいくらまで使えるか」まで自動で出ます。

申請期限は何日以内か

申請期限は分類ごとに異なります。最新の期限はセラーセントラルのヘルプ「FBAの補てんについて」でご確認ください。

分類申請期限
FC内の紛失・破損セラーセントラルのFBA補てんポリシーを参照
購入者返品セラーセントラルのFBA補てんポリシーを参照
輸送中紛失の返送申請セラーセントラルのFBA補てんポリシーを参照
その他返送事案セラーセントラルのFBA補てんポリシーを参照
再評価(再査定)申請(補てん額や却下の判断に納得できない場合に、Amazonへ再判断を求める申請)セラーセントラルのFBA補てんポリシーを参照

インターネット上には「納品時紛失の申請期限は9か月以内」という古い情報が今も残っていますが、これは期限短縮・自動化以前の旧ルールです。「半年に1回まとめて確認すればいい」という運用はもう通用しません。最低でも月1回、理想は4〜6週ごとに、在庫調整レポート・返金レポート・在庫受領レポート(Amazon倉庫が実際に受け取った数量を記録するレポート)を突き合わせる必要があります。

いくら戻るのか(原価ベース化の影響)

補てん額の算出方法は、購入者の注文の前か後かで変わります。

  • 注文前(納品・FC作業・返送/所有権放棄の各申請):原則「商品の原価」がベース。Amazonが返金を選ぶ場合は、推定販売価格から販売手数料・FBA手数料(FBAを利用する際にAmazonへ支払う手数料)を差し引いた額。
  • 注文後(購入者返品):実際に行われた返金・交換額から手数料・消費税を差し引いた額。

ここで重要なのが、Amazonが注文前の算出基準を「販売価格ベース」から「原価(製造原価)ベース」へ変更した点です(日本での適用状況はセラーセントラルのヘルプでご確認ください)。原価の定義や含まれる費用の範囲についても、セラーセントラルのFBA補てんポリシーでご確認ください。この変更により、回収額は下がる方向に動いています。

POINT

POINT: 原価を自己申告しないと、Amazon独自の見積り(同等品参考)が適用され不利になりやすいです。セラーセントラルの補てん関連画面から、仕入書類つきの実原価を先回りで登録しておくことが実務上の要点です(登録メニューの名称はセラーセントラルでご確認ください)。

実例として、96個納品したうち47個がFC内で紛失した事例では、定価2,200円(税込)の商品に対し補てん額は約1,200円でした。控除された内訳は、Amazonポイント費用・手数料・出荷作業手数料・販売手数料でした。この出品者は「半額にされた」と不満を投稿しましたが、他のセラーからは「販売時の手取り相当額を実質的に補償している」との指摘がありました(セラーセントラル フォーラム 2025年)。「半額しか戻らない」という感覚の正体は、手数料控除後の手取り相当額であることが多いという理解が実務上重要です。

なお、1ユニットあたりの補てん上限額はセラーセントラルのFBA補てんポリシーでご確認ください。これを超える高額商品は、Amazonが別途の貨物保険への加入を推奨しています。

申請の実行手順

補てん漏れを防ぐための実務フローは次のとおりです。

  1. 自動補てん済みかを確認する。自動補てんの拡大により、FC内紛失・破損と購入者返品は自動補てんの対象となっている場合があります。まず返金レポートで自動処理済みかを確認し、未処理分だけ手動申請します。除去(返送・所有権放棄)関連は自動対象外なので、必ず手動でフォローします。
  2. 分類を特定する。在庫調整レポートで、納品/FC作業/購入者返品/返送・所有権放棄のどれに該当するかを確認します。分類を誤ると却下リスクが上がります。
  3. 原価をセラーセントラルの補てん関連画面に事前登録する。仕入書類(インボイス等)を添付し、実際の原価を能動的に申告します(登録メニューの名称はセラーセントラルでご確認ください)。
  4. 評価に不服があれば異議申し立てる。特に購入者返品ケースは返金から60日以内が期限です。期限を過ぎると原則覆せません。異議申し立ては、セラーセントラルの「問い合わせ」→「FBAの問題」から行います。
  5. 高額商品は別途保険を検討する。補てん上限を超える商品は貨物保険でカバーします。

次のような状態は、期限のタイマーが動いているサインです。ひとつは、在庫調整レポートに「Warehouse damaged(倉庫破損)」「Lost(紛失)」等の記録があるのに、返金レポートに対応する補てんが見当たらない状態です。もうひとつは、納品プランの受領数が発送数を下回ったまま数週間経過している状態です。

この一連の確認作業は毎月行う必要があります。Amazonからの入金は、販売手数料・FBA手数料・返金・補てん額などが合算されて振り込まれます。そのため、個別の補てんを確認するには、振込サイクルごとの内訳を見る必要があります。

入金

セラサポの入金画面では、Amazonからの振込を振込サイクルごとに表示します。補てんが実際に入金されたかどうかを追いやすくなるため、毎月のレポート確認の補助として活用できます。

返品が発生した注文の詳細を確認する際は、注文画面も役立ちます。

注文

購入者返品の補てんには、返金日から一定期間内に申請する必要があります(期限はセラーセントラルのFBA補てんポリシーでご確認ください)。セラサポの注文画面で返金日をあらかじめ確認しておくと、期限の管理が楽になります。なお、補てん申請そのものはセラーセントラルから直接行う必要があります。セラサポの機能を試してみたい場合はデモページからお試しください。

代行ツールを使う際の注意点

補てん申請を代行する第三者ツールが複数存在します。利用する場合は、amazon.co.jpでの実績や対応状況、費用体系を事前にご確認ください。成功報酬型が多く、回収額の一定割合が費用となります(割合はツールによって異なります)。こうした手法を使う事業者も存在しますが、推奨はしません

amazon.co.jpのFBA補てんポリシーには、乱用禁止条項が明記されています。対象となる行為として、「十分な調査を行わずにリクエストを送信すること」「時期尚早なリクエスト」「短期間に大量のリクエスト」が挙げられています。これらを繰り返す出品者は、サポート遅延・監視・調査・アカウント処置の対象になり得ると定められています(セラーセントラルのFBA補てんポリシーより)。

代行ツールに申請を丸投げし、在庫不一致の裏取りをせずに機械的な申請を大量に送信するケースには注意が必要です。こうした申請は、この乱用禁止条項に抵触するリスクがあります。申請理由や添付書類の内容を自社で把握しないまま、代行会社に任せきりにしている出品者もいます。そうした出品者ほど、アカウント状況の悪化に気づくのが遅れやすい点にも注意が必要です。

POINT

POINT: 代行ツールを使う場合でも、申請前に自社側で在庫不一致の裏取りを行い、申請件数・頻度を機械的に増やしすぎないという歯止めが前提になります。アカウント健全性(出荷遅延率や注文不良率など、出品者アカウントの状態を示す指標をまとめた画面)の警告への対応手順も併せて把握しておくと安心です。

原価の水増しや書類の偽造も避けるべきです。偽造・改ざん・判読不能な書類や、同等品と極端に乖離した原価は却下され、アカウントの不正フラグにもつながります。

よくある質問

FBAの補てん申請に手数料はかかりますか

自分でセラーセントラルから直接申請する場合、Amazonへの手数料は発生しません。第三者代行ツールを使う場合のみ、成功報酬が発生します(割合はツールによって異なります)。

補てんされた後に商品が見つかったらどうなりますか

Amazonは補てん額を回収する権利を保持しています。返送・所有権放棄や紛失処理した商品が、後日倉庫内で発見されることがあります。その場合、商品はAmazonアウトレット等で再販売され、補てん額が取り消されることがあります。

自動補てんが導入されたら手動申請は不要になりますか

いいえ。自動補てんはFC内の紛失・破損と購入者返品が中心で、除去(返送・所有権放棄)関連は自動対象外のままです。返金レポートで自動処理済みかを都度確認し、未処理分は引き続き手動申請が必要です。

高額商品の紛失はどう対応すればよいですか

補てん上限額はセラーセントラルのFBA補てんポリシーでご確認ください。上限を超える商品はAmazonの補てんだけではカバーしきれないため、別途貨物保険への加入が公式に推奨されています。

まとめ

FBA倉庫での紛失・破損は、原則として補てん対象です。ただし申請期限が短縮されており、月1回以上のレポート突合が欠かせません(2026年7月時点)。原価ベースへの変更(日本での適用状況はセラーセントラルのヘルプでご確認ください)により、戻る金額は縮小傾向にあります。そのため、セラーセントラルの補てん関連画面へ原価を先回りで登録しておくことが、回収額を確保する鍵になります。代行ツールによる機械的・大量申請はアカウント停止リスクを伴うため、自社での裏取りを前提に慎重に扱う必要があります。

補てん申請に伴って納品ペースが乱れると、在庫パフォーマンス指標(IPI:FBA在庫の健全性を点数にしたもので、低いと納品できる量に制限がかかります)にも影響します。あわせて管理しておくことをおすすめします。

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