Amazonブランドストアの作り方と活用法

Amazonブランドストアの作り方と活用法

公開: 2026/9/1

Amazonブランドストア(Amazonストア)とは、ブランド登録を完了した出品者が無料で作成できる、ブランド専用のマルチページ店舗のことです。ブランド登録とは、自社の商標をAmazonに登録して、商品ページの保護や専用機能を使えるようにする制度です。作成・運用に追加費用はかかりません。

ただし、検索順位を直接押し上げる施策ではありません。SB広告(スポンサーブランド広告。検索結果の上部にロゴと複数商品をまとめて表示する、ブランド登録者向けの広告です)や外部流入の受け皿として使うと、指名検索や客単価にじわじわと効いてきます。指名検索とは、商品名やブランド名を指定して検索されることです。つまり、直接ではなく間接的に効果が出る施策です。

ブランドストアとは何か

ブランドストアは、商品一覧だけのページとは異なり、画像・動画・テキストを組み合わせて世界観を伝えられる公式ページです。1ページ内に最大20セクションまで配置でき、複数ページに分けてカテゴリー別・用途別に商品を整理できます。

POINT

POINT ブランドストアは「検索順位を上げるツール」ではありません。「集めたトラフィックを回遊させ、購入と指名検索につなげるツール」です。この位置づけを誤解すると期待外れになります。

開設の前提条件は2つ

ブランドストアを開設するには、次の2つの条件をどちらも満たす必要があります。

条件内容
① 出品プラン大口出品であること(小口出品では利用不可)
② ブランド登録Amazonブランド登録が完了していること(商標の保有または出願が前提)

大口出品は月額固定料金で出品数に制限なく販売できるプラン、小口出品は出品ごとに手数料がかかる従量制のプランです。ブランドストアは大口出品でなければ使えません。

大口出品と小口出品の違いや切り替えの損益分岐は、「大口出品と小口出品どちらを選ぶ?」で解説しています。

商標登録には数か月〜1年、ブランド登録の審査にも一定の期間がかかります。ストア開設を急ぐ場合は、商標出願のタイミングから逆算してスケジュールを組む必要があります。

こちらの記事もご参照ください

ブランド登録に商標は必須?出願中でも申請できる条件

Amazonブランド登録には商標が必要です。登録済みでなくても出願中(pending)で申請できる条件、却下されやすいポイント、費用と期間の目安をまとめました。

POINT

POINT ブランド登録が未完了だとストアもSB広告もA+コンテンツ(商品ページの下部に画像と文章を組み合わせて掲載できる、ブランド登録者向けの機能です)も使えません。商標出願は「思い立ってすぐ」ではないため、早めの着手が結果的に近道になります。

セラサポでできること

その広告費、いくらまで使ってよいか決まっていますか

セラサポは商品ごとに損益分岐ACOS(赤字になる境目)を自動計算します。深夜に溶けている広告費や予算切れの日数も金額で出るので、直す場所がすぐ決まります。

ストアの作成手順

作成はセラーセントラルから次の流れで進めます。

  1. セラーセントラル上部メニューの「ストア」→「Amazonストア」を開く
  2. 「ストアを作成」からブランド名を登録する
  3. ロゴ画像(400×400px以上の鮮明な画像)をアップロードする
  4. メタ説明文(検索結果やストア一覧に表示される説明文)を入力する
  5. テンプレートを選び、画像・動画・テキスト・商品一覧を配置する
  6. 内容を確認し「審査に提出」する

審査(公開前の申請)は通常24時間以内に完了します。ただし医療機器など特殊カテゴリーを含む場合は、最長1週間程度かかることがあります。

テンプレートとページ構成のポイント

テンプレートには、ブランドの世界観を打ち出す「マーキー」、主力商品を目立たせる「商品ハイライト」などが用意されています。ほかにも、多数の商品を一覧表示する「商品グリッド」、自由に組み立てる「空白」といった種類があります。名称や種類数は改定される場合があるため、実際の選択肢はストア作成画面で確認してください。

ページ構成を考えるうえで見落とせないのが、SB広告のストアスポットライトというフォーマットです。ストア内の最大3つのサブページに直接誘導できます。ただし配信するには、ストアが4ページ以上あり、各ページに商品が1個以上含まれているという条件を満たす必要があります。

POINT

POINT トップページ1枚だけのストアではストアスポットライトが使えません。カテゴリー別・用途別にサブページを分割し、最低4ページ以上を先に作っておくのが実務上のコツです。

SB広告の遷移先としてストアを使う

スポンサーブランド(SB)広告のリンク先は、クリックした箇所によって変わります。ブランドロゴや見出しをクリックした場合は、ストアまたは専用ランディングページへ遷移します。個別商品をクリックした場合は、その商品詳細ページへ遷移します。

SB広告のフォーマットは3種類あります。

フォーマット内容遷移先
商品コレクションロゴ・見出し+最大3商品自動生成LPまたは自ストア
ストアスポットライト最大3サブページへ誘導ストアの各サブページ
動画6〜45秒の自動再生動画で1商品を訴求自ストア・サブページ

SB広告の始め方は「スポンサーブランド広告(SB)の始め方」で解説しています。動画広告を使うべき条件は「SB動画広告はいつ使う?」で詳しく解説しています。

SB広告やストアの成果は、ACOS(広告費÷広告経由の売上。広告の費用対効果を表す指標です)など単発の指標だけで判断すると見誤りやすくなります。広告費・広告経由売上・ROAS(広告経由の売上÷広告費。ACOSの逆数にあたる指標です)・ACOSの日別推移を並べて見る必要があります。そうしないと、ストアへの遷移が効いているのか、ただクリック単価が上がっているだけなのか切り分けられません。

セラサポ(Amazonセラー向けの分析・運用ツール)の広告サマリー画面では、この4指標の日別推移を1画面で確認できます。

ストアは検索順位を直接上げるのか

結論として、ストアの有無や更新頻度がAmazonの自然検索順位に直接効くという一次情報は確認できていません。自然検索順位を最も強く動かす要因は、直近の販売実績(販売速度)や関連性です。検索順位の仕組み全体は「Amazon検索順位を決める要素と優先順位の付け方」にまとめています。

ストアの効果として語られているのは、次のような間接効果です。

  • 指名検索の増加(ストアリニューアル後に約1.3倍になった事例あり)
  • 複数ページ構成にすることで平均滞在時間が伸びる
  • 「SB広告→ストア」の遷移が「カテゴリページへの直接遷移」より平均CVR(購入転換率。商品ページを見た人のうち、実際に買った人の割合です)が高くなった実績報告

これらの数値はいずれもストア運用支援会社が自社案件の実績として紹介している参考値です。Amazon公式の統計ではありません(出典: funnel-inc)。自社での効果は、後述するストアインサイトで実測することをおすすめします。

外部流入がSEOにどこまで効くかは「外部流入はAmazon SEOに効くのか」で解説しています。

ストアインサイト(分析タブ)の見方

ストア所有者は、ストア管理画面の「インサイト」タブから次の指標を日別に確認できます。

指標内容
訪問数ストアを訪れたユニーク訪問者数
ページビューページが表示された回数
訪問者ごとのページビュー1訪問あたりの回遊の深さ
売上・売上の商品点数ストア経由の購入実績
新規ビジター数初めてストアを訪れた訪問者数
平均滞在時間バウンス訪問を除いた滞在時間
平均直帰率インタラクションなしで離脱した割合

データは「ページ別」「トラフィック参照元別」「タグ別」に分解して見られます。ページごとの「注文商品点数÷訪問者数」を計算すれば、そのページが購入につながりやすいかどうかも検証できます。

診断の型はシンプルです。訪問はあるのに回遊が伸びない場合は、ナビゲーションとサブページへの導線を見直します。閲覧数は多いのに売上が伸びない場合は、ベストセラー商品を上部に配置してレイアウトを見直します。

指名検索が実際に伸びているかどうかは、ストアインサイトだけでなく検索順位の推移でも裏取りできます。手作業で毎日ブランド名キーワードの順位を確認するのは負担が大きいものです。セラサポの検索順位トラッキング機能では、狙ったキーワードの自社ASIN順位を毎日自動で記録します。これにより、指名検索の増減を数字で追えるようにしています。

参照元タグでチャネル別の効果を計測する

ストアには「参照元タグ」というURLパラメーター機能があります。生成したタグ付きURL経由の訪問者数・売上をタグ別に計測でき、SNSや外部広告などチャネルごとの効果測定に使えます。タグ数に制限はなく、有効期限もありません。

POINT

POINT 参照元タグを付けずに外部送客すると、Amazon内部の内訳が「その他」にまとめられてしまいます。その結果、どの媒体が効いているか判断できなくなります。外部送客を始める前に必ずタグを発行しておきましょう。

運用時の注意点

ストア運用では、規約と表示ルールの2点に注意が必要です。

NG例理由
自社ECサイトなど外部サイトへのリンクを掲載する「Amazonの確立された販売プロセスからの逸脱」として規約違反
Amazon公式以外のURL短縮サービスで外部リンクを紛れ込ませる流入元が追跡できなくなり規約違反とされる
根拠のない「業界No.1」などの最上級表現を使う審査の却下理由になるうえ、景品表示法上のリスクもある

Amazonの規約では、購入者を別のウェブサイトや販売プロセスに誘導する行為は一律で禁止されています。外部(SNSなど)からの流入は、必ず商品詳細ページかブランドストアへ着地させてください(出典: Amazonセラーセントラル ヘルプ)。

最上級表現を使う場合は、根拠を用意する必要があります。具体的には、調査対象の範囲や比較対象の選定、母集団の公正性といった点です(出典: jadma)。

ストアはプライムデーなど商戦期の前後に更新するのも効果的です。事前準備の逆算スケジュールは「プライムデー準備は逆算スケジュールが鍵」にまとめています。

まとめ

Amazonブランドストアは、大口出品とブランド登録という2つの条件さえ満たせば無料で作成できる公式ページです。検索順位を直接上げる施策ではありませんが、SB広告や外部流入の受け皿として使うと効果があります。回遊・滞在時間・指名検索・客単価に間接的に効いてきます。

ストアスポットライトを使うなら、4ページ以上・各ページ商品1個以上という条件を先に満たしておきましょう。そのうえで、ストアインサイトと参照元タグを使い、自社の実測値に置き換えながら運用していくことが大切です。

よくある質問

ブランドストアの開設に費用はかかりますか?

ストア自体の作成・運用に追加費用はかかりません。ただし前提条件として大口出品への登録が必要です。

ブランドストアがあると検索順位は上がりますか?

検索順位を直接押し上げるという一次情報は確認できていません。効果は指名検索の増加や回遊・客単価アップといった間接的なものです。

ストアスポットライト広告を出すための条件は何ですか?

ストアが4ページ以上あり、各ページに商品が1個以上含まれていることが配信条件です。

ストアの審査にはどれくらい時間がかかりますか?

通常は24時間以内に完了します。医療機器など特殊カテゴリーを含む場合は最長1週間程度かかることがあります。

ストアから自社ECサイトにリンクしても良いですか?

できません。購入者をAmazon外の販売プロセスに誘導する行為は規約で禁止されています。外部からの流入は、商品詳細ページかストアに着地させる必要があります。

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