SB動画広告はいつ使う?SPとの違いと効く条件

SB動画広告はいつ使う?SPとの違いと効く条件

公開: 2026/7/25 / 更新: 2026/7/26

スポンサーブランド動画広告(SBV)は、まだ購入を決めるかどうか迷っている比較検討中の潜在顧客(すぐには買わないが興味を持っている見込み客)に、ブランドを想起させるための広告です。

購入直前の顕在層(今まさに買おうとしている人)を確実に購入へつなげるスポンサープロダクト(SP。個別の商品を検索結果や商品ページに表示する広告です)とは役割が異なります。両者は競合させるのではなく、併用するのが実務の定石です。

使うべきは、視覚で価値が伝わる商品を、新商品ローンチ直後や競争の激しいカテゴリーで出稿するケースです。

SBVとSPは何が違うのか

スポンサーブランド動画とは、Amazon Adsが提供する動画クリエイティブ(広告に使う動画素材のことです。長さは6〜45秒)と、商品詳細1点を組み合わせて検索結果に表示する広告です。スポンサーブランド広告の一形態で、静止画が並ぶ検索結果の中で唯一動きがあるため、視認性が高い(目に留まりやすい)とされています(出典: Amazon広告 公式)。

一方のSPは個別商品のプロモーションに特化した広告です。ターゲティング(どの検索語句や商品に広告を表示するかの設定)には、Amazonが自動で選ぶ「オートターゲティング」と、出品者が自分でキーワードや商品を指定する「マニュアルターゲティング」の2種類があります。どちらも購入直前の顕在層を刈り取る(確実に購入へつなげる)のに強い広告です。

SBVのターゲティングはキーワードと商品ターゲティングの2種類しかありません。その代わり、比較検討中の潜在層や、自社ブランドをまだ知らない新規顧客(NTB。その広告がきっかけで初めて自社商品を買った人の比率のことです)への訴求に強みがあります。

POINT

SPで刈り取り、SBVで面を取る(広く認知を広げる)。両者を競合させず役割分担させるのが実務の定石です。ROAS(広告経由の売上 ÷ 広告費。ACOSの逆数にあたる指標です)だけを基準にどちらか一方に予算を寄せると、SBVが本来担うブランド認知の効果を見落とします。

この使い分けは、それぞれが得意とする指標にも表れます。SPはACOS(広告費 ÷ 広告経由の売上。広告の費用対効果を表す指標です)やCVR(購入転換率。商品ページを見た人のうち、実際に買った人の割合です)で効果を測るのに向いています。一方SBVは、NTB比率やブランド検索数、VTR(ビュースルー率。動画を最後まで見た人の割合です)といった、認知や検討段階を表す指標で評価するのに向いています。

項目スポンサープロダクト(SP)スポンサーブランド動画(SBV)
主な役割顕在層の刈り取り潜在層への想起・面の確保
ターゲティングオート+マニュアルキーワード(25語以上推奨)+商品の2種のみ
出稿条件大口出品者なら誰でもBrand Registry登録が必須
審査ほぼ即時掲載毎回審査あり(自動+人的審査)
得意な指標ACOS・CVRNTB比率・ブランド検索・VTR

なお、SPにも「スポンサープロダクト動画」という別フォーマットがあります。最低7秒で既存のSPキャンペーンに統合でき、ブランド登録(Brand Registry。自社の商標をAmazonに登録して、商品ページの保護や専用機能を使えるようにする制度です)が不要な点がSBVと異なります。動画広告を試したいが、まだブランド登録していない場合は、この入口を先に使う選択肢もあります。

出稿条件と仕様

SBVの出稿にはAmazonブランド登録(Brand Registry)が必須です。出品者(自分でAmazonに出品する形態)・ベンダー(Amazonへ卸売りする形態)・代理店のいずれかが、ブランド登録を済ませていることが条件になります(出典: Amazon広告 公式)。

最低出稿予算という要件そのものはありません。ただし、具体的な推奨予算の水準は、セラーセントラルの料金表でご確認ください。

キャンペーンタイプには2種類あります。検索結果と商品詳細ページに表示する「商品詳細ページキャンペーン」と、クリックすると自社のAmazonストアへ遷移する「ブランドストアキャンペーン」です。商品の購入などの成果(コンバージョン)を狙うか、ブランドの認知を広げることを狙うかで使い分けます。

項目内容
動画尺6〜45秒(20秒以下推奨)
解像度1280×720/1920×1080/3840×2160
ファイル形式MP4・MOV(H.264またはH.265)
ファイルサイズ500MB以下
アスペクト比16:9(横長の画面比率です)
推奨予算セラーセントラルの料金表でご確認ください(下限要件ではなく推奨)

セラサポでできること

その広告費、いくらまで使ってよいか決まっていますか

セラサポは商品ごとに損益分岐ACOS(赤字になる境目)を自動計算します。深夜に溶けている広告費や予算切れの日数も金額で出るので、直す場所がすぐ決まります。

SBVが効く条件・避けるべき条件

効果が出やすい条件は、使い方や利用シーンなど視覚で価値が伝わる商品であることです。ファッション・家電・コスメ・キッチン用品などが典型例です。

加えて、新商品ローンチ直後でブランド認知がまだ低い状態や、価格訴求だけでは差別化しづらい競争カテゴリーでも、効果が出やすいとされています。検索結果のCPC(クリック単価。広告が1回クリックされるごとに発生する費用です)が高騰していて、クリックの質を上げたい場面でも効果を発揮しやすいとされています。

反対に、星評価やレビューが低い商品には向きません。動画の訴求力を試す前に、信頼を損なっている原因の解消を優先すべきだからです。

また、SPで既に十分な需要を獲得できている場合にSBVへ切り替えても、単なる予算の付け替えになり、ROI(投資対効果)の改善にはつながらないおそれがあります。

効く条件避けるべき条件
視覚で価値が伝わる商品星評価・レビューが低い商品
新商品ローンチ直後で認知が低いSPで既に刈り取れている状況
価格訴求だけでは差別化しづらいカテゴリー低単価消耗品でCPCに見合わない
CPC高騰でクリック品質を上げたい冒頭3秒・無音で価値が伝わらないクリエイティブ

ノートパソコンでオンラインショッピングをする人物

新商品ローンチ直後にSBVを使う場合は、ローンチ全体の準備(リスティング(商品ページ)・在庫・レビュー計画の事前構築)と組み合わせることが前提になります。

初期予算は、SPと同様に「三点測量」という考え方で決めるのが安全です。これは、①Amazon公式が示す出稿の下限額、②新規に広告を始める出品者向けの支出上限、③損益分岐点となるACOS(これ以上広告費をかけると赤字になる、という目安のACOSの水準です)から逆算した金額、という3つの基準を比べて予算を決める方法です。

クリエイティブ審査を通すポイント

SBV(スポンサーブランド広告全般に共通します)は、SPと違って、出稿するたびにAmazonの審査(モデレーション。広告内容が規約に沿っているかどうかのチェックです)を通過する必要があります。SPがほぼ即時掲載されるのに対し、SBVは審査に時間がかかる点を事前に見込んでおく必要があります。

却下される典型的なパターンは、あらかじめ分かっています。動画の上下や左右に黒い帯が入ってしまう「レターボックス・ピラーボックス」と呼ばれる表示、動画の冒頭や末尾にある黒い画面や何も映っていない空白の場面、ミュートボタン周辺へのテキストやロゴの配置などです。

同じ基準はAmazon.co.jpのSBVにもそのまま適用されます。入稿前に管理画面のプレビューで、黒い帯や空白の場面が入っていないか必ず確認しておくと、差し戻しを防げます。

多くの視聴者は音声をオンにしないため、音声なし前提でテキストや視覚的手がかりを設計し、冒頭2〜4秒に商品を映すことが実務上のポイントです。

POINT

審査に落ち続ける場合は、黒フレーム・レターボックス・ミュートボタン周辺のテキスト・優位性主張・価格や外部URLの表示・レビュー投稿を促す文言をチェックリスト化して事前確認するのが有効です。

効果測定はROASだけで見ない

SBVはSPと違い、購買までのカスタマージャーニー(お客様が商品を知ってから実際に購入するまでの一連の流れ)が長くなりやすい広告です。そのため、単月のROASだけで良し悪しを判断すると、効果を見誤ります。**ブランド検索の増加・新規顧客比率(NTB)・ビュースルー率(VTR)**などの認知・検討指標を併せて評価する必要があります。

これらの指標は、セラーセントラルの広告キャンペーンマネージャーのレポート画面から確認できます。ブランド検索数は検索語句レポート、NTB比率はキャンペーンレポートの「新規顧客」列、VTRは動画クリエイティブごとのレポートで、それぞれ確認できます。

単月の数値だけを見るのではなく、SBV出稿前後の数週間を比較し、ブランド検索やNTB比率が底上げされているかを追うのが実務上のポイントです。ROASが横ばいであっても、これらの指標が伸びていればSBVは想定どおりの役割を果たしていると判断できます。

こうしたブランド検索やNTBの伸びを広告費と突き合わせて見る作業は、セラサポのような分析ツールを使うと手作業のレポート集計を減らせます。

実行手順

  1. Brand Registry(ブランド登録)の取得状況を確認する(未取得ならSPの「スポンサープロダクト動画」を先行検討)
  2. 目的を認知(ブランドストアキャンペーン)かコンバージョン(商品詳細ページキャンペーン)で決める
  3. 冒頭2〜4秒に商品を配置し、音声なし前提でテキスト・キャプションを設計する
  4. キーワード25語以上と商品ターゲティングを設定する
  5. テスト予算(セラーセントラルの料金表を目安にした金額)で開始し、VTR(ビュースルー率)・vCTR(動画のクリック率)・NTB(新規顧客比率)・ブランド検索を測定する
  6. ROAS単体でなく認知・検討指標も併せて評価し、SPとの役割分担を維持する

注意点

SBVのCTR(クリック率。広告が表示された回数のうち、クリックされた割合です)が静止画のSBの1.6倍、CVRが1.3倍といった数値や、CPCの相場観として語られる数値は、いずれも代行会社のベンチマーク記事に基づく二次情報です。

算出根拠(サンプル数・業界・期間)が公開されておらず、あくまで参考値として扱うべきです。具体的なCPC水準は、自社キャンペーンの実績値をセラーセントラルの広告レポートで確認するほうが確実です。

クリエイティブ規約では、「業界No.1」といった優位性主張や競合名の直接言及、比較表現が明確に禁止されています。こうした表現を入れてしまう事業者も存在しますが、推奨はできません。

Amazon Adsの公式ガイドは、「重大または繰り返しの違反で広告アカウントが停止・終了されうる」と明記しています。外部リンクや価格表示、レビュー投稿を促す文言も、審査却下の対象になります。実害の多くは審査却下で止まりますが、規約上のリスクとして事前に把握しておく必要があります。

まとめ

SBVは短期のROAS改善よりも、ブランド認知と新規顧客獲得、検索結果での面の確保に効く広告です。

SPで刈り取りつつSBVで面を取るという役割分担を保ち、視覚的に価値が伝わる商品や新商品ローンチ直後、価格訴求が効きにくい競争カテゴリーで優先的に検討します。

星評価が低い商品やSPで十分刈り取れている状況では効果が出にくいため、まず土台となる商品ページやレビューを整えてから出稿を検討してください。

よくある質問

SBVを出すのにブランド登録は必須ですか

必須です。出品者・ベンダー・代理店のいずれかがAmazonブランド登録(Brand Registry)を済ませていることが出稿条件です。未取得の場合は、ブランド登録が不要なSPの「スポンサープロダクト動画」を先に検討できます。

SBVの最低予算はいくらですか

公式の下限要件はありませんが、推奨される予算水準はセラーセントラルの料金表でご確認ください。効果検証にはその水準でのテスト出稿が現実的です。

SBVとSPはどちらを優先すべきですか

競合させる関係ではありません。SPで顕在層を刈り取り、SBVで潜在層への想起と面を確保するという役割分担が実務の定石です。予算に余裕がなければ、まずSPで指名検索やコンバージョンの土台を作ってからSBVを追加する順番が安全です。

SBVの審査にはどれくらい時間がかかりますか

標準的な審査期間はAmazon公式では明記されておらず、SPのほぼ即時掲載と異なり時間がかかる点だけが確認できています。出稿スケジュールには審査待ちの余裕を見込んでおく必要があります。

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