Amazon併売分析で客単価を上げる方法

Amazon併売分析で客単価を上げる方法

公開: 2026/9/3

併売分析(マーケットバスケット分析)とは、自社商品と同時に購入される頻度が高い商品を確認できる機能です。セラーセントラルの「ブランド分析」(ブランド登録者が使える分析メニューで、検索キーワードや競合との比較が見られます)の中にある公式機能のひとつです。自社・他社を問わない上位3商品が表示されます。

この組み合わせをセット化や購入割引プロモーション、広告の商品ターゲティングに使えば、セッション数(商品ページが訪問された回数。同じ人が短時間に何度見ても1回と数えます)を増やさなくても客単価を引き上げられます。ただし利用には、ブランド登録(商標取得)が前提条件になる点に注意してください。

併売分析(マーケットバスケット分析)とは何か

併売分析とは、購入者のカートの中身を集計して「Aを買った人はBも一緒に買っている」という組み合わせを可視化する機能です。ブランド分析の中にあり、正式には「マーケットバスケット分析」または「ストアバスケット分析」と呼ばれます。

自社商品と同時に購入される頻度が高い商品の上位3商品を、自社・他社を問わず確認できます(出典: itsumo365)。

POINT

ブランド分析は現在、検索クエリパフォーマンス・検索カタログパフォーマンス・上位の検索用語・リピート購入行動・マーケットバスケット分析の5機能で構成されています。2022年6月30日以降、商品比較レポートと代替購入レポートは利用できなくなりました(出典: force-r)。

キーワード起点の分析は、別記事の「ブランド分析SQPで取りこぼしキーワードを探す方法」で扱っています。この記事では併売という切り口に絞って解説します。

使うにはブランド登録(商標取得)が必須

ブランド分析全体を使うには、商標を取得したうえでの「Amazonブランド登録」が前提条件です(出典: force-r)。商標がまだ無い、あるいは出願中の段階では、そもそも併売分析の画面自体にアクセスできません。

ブランド登録の要件や商標出願中でも申請できる条件は、「ブランド登録に商標は必須か」で詳しく解説しています。

ブランド未登録のセラーは、次の方法で代替する必要があります。

  • 商品ページの「よく一緒に購入されている商品」欄を目視で確認する
  • 自社の注文データを見て、同時期に注文された商品の傾向を手動で観察する

後者の作業は、注文を1件ずつ確認できる画面があると効率が大きく変わります。セラサポの「注文」画面では、いつ・何が・いくらで・どこへ売れたかを注文明細単位で一覧化しています。併売分析が使えない間の代替観察に、そのまま使えます。

セラサポでできること

順位の変化を、手で検索して確かめていませんか

セラサポは狙ったキーワードの順位を毎日自動で記録します。競合の価格・レビュー数と並べて見られるので、どのキーワードを取りにいくかを数字で決められます。

データが表示されるまで数ヶ月かかることがある

併売分析を含むブランド分析は、ブランド登録・出品開始からデータが安定するまでに時間差(ラグ)が生じることがあります。セラーセントラルのフォーラムには、次のような報告があります。

POINT

あるセラーは7月にブランド登録、9月に出品開始したものの、11月中旬までツール自体が表示されず、表示後も9〜11月分のデータが期間指定・ASIN選択のいずれでも表示されない状態だったと報告しています。Amazonテクニカルサポートからは「ヘルプページに記載の内容以外は案内できかねる」という定型回答のみだったとされます(出典: Amazonセラーフォーラム(日本))。

この事例が示す通り、併売分析のデータは登録直後の1期間だけを見て意思決定するのは危険です。新商品開発やセット企画の判断に使う場合は、複数期間のデータが揃ってから判断する方が安全です。

併売データをクロスセルに活かす2つの方向性

併売分析の上位3商品を見たら、まず「自社商品同士の組み合わせか」「他社商品との組み合わせか」を仕分けます。この仕分けによって打ち手が変わります。

なお、これ以降の表や本文で使う「ASIN」は、Amazonが商品1つずつに割り当てている10桁の商品コードのことです。

併売パターン主な打ち手補足
自社商品同士の併売が多いセット・バンドル化、購入割引プロモーション客単価アップに直結しやすい
他社商品との併売が多い自社の新商品開発の材料にする、または該当ASINへ広告出稿隣接需要を自社で取り込む方向

客単価アップの全体像は、別記事の「Amazon客単価を上げる方法」にまとめています。併売分析は、その中で「何を組み合わせるか」を決める材料と考えるとわかりやすくなります。

自社商品同士の併売が多い場合

併売上位に自社ASINが並ぶ場合は、セット・バンドル化または購入割引プロモーションが候補になります。

スキンケア商品のギフトセット、リボンで包装されている

セット品を新規登録する際は、単品の製品コード(JAN、商品バーコードに使われるコード)をそのまま転用できません。JANを持っていない場合は、製品コードの免除申請が可能です。

セットの構成商品は、いずれも既に単品で出品されている必要があります。複数カテゴリにまたがる場合は、最も価格の高い商品のカテゴリがセット全体に適用されます(出典: shouhintouroku)。

異なる商品を組み合わせたセットは、ノーブランド品として登録します。同一商品の複数個まとめ売りは、単品と同じブランド名で登録するのが正しい方法です。この点は、Amazon技術サポートがセラーセントラルのフォーラムで回答しています(出典: Amazonセラーセントラル ヘルプ)。

セットの中身は、登録後に変更できません。変更したい場合は、別コードで新規登録が必要になります。

そのため、併売分析の結果からセット内容を決める際は注意が必要です。一時的な流行ではなく、需要が安定している組み合わせを選ぶ方が、運用上のリスクが低くなります。

セット・バンドル登録の具体的な設計は「セット・バンドル商品で単価とレビューを両取りする設計」で解説しています。

購入割引プロモーションは、セラーセントラルの「広告」→「プロモーション」から設定できます。「◯点以上購入で◯%オフ」のような条件を満たすと、自動で適用される仕組みです。

ただし本・音楽・DVDカテゴリは対象外です。利用には、大口出品者(月額固定の出品プランを契約している出品者)であることが条件です。加えて、出品者評価が星2.5以上であることも条件になります(出典: finner)。

なお、Amazon主導の「まとめトクプログラム」という施策もあります。セラー側からの参加方法や適用条件は、フォーラム上でも明確な回答が得られていません。詳細はセラーセントラルのヘルプ、またはテクニカルサポートで確認する必要があります。

購入割引プロモーションとクーポン・タイムセールの使い分けは「クーポン・タイムセールの費用対効果を検証」で扱っています。

他社商品との併売が多い場合

併売上位に他社ASINが並ぶ場合は、次の2方向で活用できます。

  1. その隣接カテゴリを自社の新商品開発・仕入れ候補として検討する
  2. その他社ASINを、スポンサープロダクト広告の商品ターゲティング(マニュアル設定)で狙う

スポンサープロダクト広告(検索結果や商品ページに、個別の商品を出す広告です)には2種類の狙い方があります。Amazonが自動で表示先を選ぶ「オートターゲティング」と、出品者が自分で表示先を指定する「マニュアルターゲティング」です。

オートターゲティングには「補完商品」というグループがあります。自社商品と組み合わせて使われやすい商品の詳細ページに、自動で広告が表示される仕組みです(表示先は「ほぼ一致」「おおまか一致」「代替商品」「補完商品」の4区分に分かれます)。

マニュアルターゲティングでは「商品ターゲティング」という設定を選べます。併売分析で見つけた特定のASINの商品詳細ページを指定し、狙って広告を出すことも可能です(出典: kwm)。

POINT

他社ASINを狙う場合は、自社が価格やレビューで優位に立てる商品に絞ることが重要です。優位性のない商品ページに広告を出しても、クリックだけが増えて転換につながりにくくなります。

商品ターゲティング広告の設定方法とコンクエスティングの考え方は「商品ターゲティング広告の使い方とコンクエスティング」にまとめています。

セット化や広告出稿を実行した後は、施策が客単価に効いているかを商品単位で追う必要があります。

セラサポの「商品ごとの売上」画面では、ASIN別の売上・販売個数・広告費・広告経由売上を一覧で並べられます。セット品や広告ターゲット商品の効果測定に、そのまま使えます。

注意点:併売実績を人為的に作るのは規約違反

併売データや売上ランキングを良く見せるために、不正な手法を使う事業者も存在します。自己購入(自分・身内・クラウドソーシングでの発注)や、注文とキャンセルを繰り返す手法です。

ただしAmazon出品者利用規約は、こうした行為を明確な禁止行為として定めています。「売上ランキングを操作する(虚偽の注文や、出品者自身が支払った注文、または外部から割引した注文を受け付けるなど)」ことは禁止されています。

一人の購入者からの注文とキャンセルが繰り返され、「ランキングを故意に操作した」とAmazonに判断された事例があります。この事例では、アカウント停止となったことが報告されています。

処分は「出品停止」→「アカウント停止」→「アカウント削除」と段階的に重くなります(出典: zonexpert)。

レビューへの見返り提供や評価内容の誘導、身内によるレビューも、商品レビューポリシーで明確に禁止されています。違反すると、レビュー非表示・レビュー依頼機能の停止・警告メールに加え、最悪の場合アカウント停止のリスクがあります(出典: cyber-records)。

併売分析はあくまで実データを読み解くための機能であり、その実績自体を人為的に作る行為は推奨できません。

よくある質問

併売分析はブランド登録なしでも見られますか

見られません。ブランド分析全体が、商標取得済みのブランド登録を前提とした機能だからです。未登録の場合は、商品ページの「よく一緒に購入されている商品」欄や、自社の注文データの手動観察で代替する必要があります。

併売分析に出るのは自社商品だけですか

いいえ。上位3商品は自社・他社を問わず表示されます。他社ASINが多く出た場合は、新商品開発の材料にするか、広告の商品ターゲティングでその商品ページを狙う運用が考えられます。

セット品と単品のまとめ売りは同じ登録方法ですか

異なります。異なる商品を組み合わせたセットはノーブランド品として登録します。同一商品の複数個まとめ売りは、単品と同じブランド名で登録するのが正しい方法です。この点は、Amazon技術サポートがフォーラムで回答しています。

まとめトクプログラムには自分で申し込めますか

参加方法や適用条件は、セラーフォーラム上でも明確な回答が得られていません。制度の詳細はセラーセントラルのヘルプページで確認するか、テクニカルサポートに問い合わせる必要があります。

まとめ

併売分析(マーケットバスケット分析)は、ブランド分析内で自社商品と同時に購入される上位3商品を確認できる公式機能です。利用には、ブランド登録(商標取得)が必須です。

自社商品同士の併売が多ければ、セット化や購入割引プロモーションで客単価を狙えます。他社商品との併売が多ければ、新商品開発や商品ターゲティング広告で隣接需要を狙えます。

データには表示ラグがあるため、複数期間で組み合わせの再現性を確認してから施策化することが重要です。

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