商品ターゲティング広告の使い方とコンクエスティング

商品ターゲティング広告の使い方とコンクエスティング

公開: 2026/8/7

商品ターゲティングとは、キーワードではなく特定のASIN・カテゴリー・ブランドを指定して広告の配信先を決める、スポンサープロダクト広告・スポンサーブランド広告のマニュアルターゲティング方式です。カテゴリー指定で広くリーチを取る使い方と、競合の商品ページに個別ASIN指定で広告を出す「コンクエスティング」の2通りがあり、キーワードターゲティングとは目的が異なるため併用が基本になります。

商品ターゲティングの2パターンと表示箇所

商品ターゲティングには「カテゴリー指定」と「個別ASIN指定」の2パターンがあります。カテゴリー指定はカテゴリー全体に興味を持つ購入者へ広くアプローチしたい場合に向き、個別ASIN指定は特定の競合商品を閲覧している購入者にピンポイントで訴求したい場合に向きます(出典: value-creation)。

POINT

商品ターゲティングは「購入者が閲覧している商品ページ」に広告を紐付ける方式です。「購入者の検索行動」に紐付けるキーワードターゲティングとは、そもそも狙う瞬間が違います。

広告が表示される場所は主に2箇所です。1つは検索結果画面のスポンサープロダクト枠、もう1つは商品詳細ページ下部の「この商品に関するスポンサープロダクト」等のレコメンド枠です(出典: realms)。つまり自社商品がまだ検索結果で上位に出ていなくても、競合の人気商品ページに広告枠を確保できるという点が、キーワードターゲティングにはない特徴です。

セラーセントラルでの設定方法

キャンペーンマネージャーの商品ターゲティング設定画面では、ASIN・商品名から検索して個別に追加する方法と、カテゴリー名で検索してカテゴリーごと指定する方法があります。指定の際は、ブランド・レビュー評価(星の数)・価格帯・配送方法(プライム対応など)で絞り込みができます(出典: kwm)。

絞り込み条件設定例(製氷皿の場合)
カテゴリーキッチン用品>製氷皿
価格帯1,000円〜2,500円
レビュー評価3.5〜4.3

この例のように、自社より高評価・高価格帯の強豪商品は絞り込みの段階であらかじめ除外しておくのが実務的です(出典: bop-com)。なお、カテゴリー内のASINを一括でCSVダウンロードするような専用機能は用意されていません。代替策として、Amazon.co.jpの商品ページに表示されている小カテゴリー名(例:「Tシャツ・カットソー」)をそのままコピーし、「カテゴリー名で検索」欄に貼り付けて対象カテゴリーを特定する運用がセラー間で共有されています(出典: Amazonセラーフォーラム(日本))。

ノートパソコンでデータを分析する様子

セラサポでできること

その広告費、いくらまで使ってよいか決まっていますか

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どの競合ASINを狙うべきか

個別ASIN指定で狙うべき対象は「自社商品がそのASINより優れている点(価格・レビュー・機能・画像や動画の訴求力)」があるかどうかで判断します。自社より劣る強豪ASINを選んでしまうと、購入者が両方の商品ページを見比べた際に離脱されやすく、むしろ逆効果になります。

商品ターゲティングが向いている商品の目安は次の3パターンです(出典: kwm)。

  • クリック単価(CPC)がまだ高騰していない商品
  • 有名ブランドより安い価格帯の商品(価格訴求が効きやすい)
  • セット販売・関連購入を狙える商品(例: ショートパンツとベルト、スノーボード用品一式)

競合の価格やレビュー評価を1商品ずつ手作業で確認するのは手間がかかります。セラサポの競合調査では、狙ったキーワードの検索結果上位に出ている競合ASINを価格・星の数・レビュー数・月間購入数つきで一覧表示し、自社商品との優劣をその場で比較できます。狙う目標入札額やメモをASINごとに保存できるため、個別ASIN指定の候補選びと広告設計を1つの画面でつなげられます。

キーワードターゲティングとの使い分け

キーワードターゲティングは「購入者の検索行動」に、商品ターゲティングは「購入者が閲覧している商品ページ」に広告を紐付けます。狙うキーワードが既に分かっていて効率よく刈り取りたい場合はキーワードターゲティング、リーチ拡大・認知拡大・自社他商品へのクロスセル・競合商品ページへの露出を狙いたい場合は商品ターゲティングという整理が実務的です(出典: value-creation)。

導入の優先順位としては、スポンサープロダクトのキーワードターゲティングをひと通り運用し、成果が安定してから予算に余裕がある範囲で商品ターゲティングを追加するのが定石です。新商品発売直後で認知度がまだ低い段階では、一般的なキーワードに絞ったキーワードターゲティングを優先すべきとされています(出典: ppc-master)。

新規キャンペーンの立ち上げ手順そのものは以下で解説しています。

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項目キーワードターゲティング商品ターゲティング
紐付く対象購入者の検索語句購入者が閲覧中の商品ページ
向いている段階新商品ローンチ直後・成約KWの刈り取りキーワード運用が一巡した後の追加施策
得意な目的検索需要の刈り取りリーチ拡大・クロスセル・競合面の獲得

なお、個別ASIN商品ターゲティングのクリック単価(CPC)は、同一アカウント内のキーワードターゲティングのCPCと同水準に設定するのが目安です。これより極端に低いCPCを設定すると広告がほとんど表示されず、十分な効果を得られません(出典: kwm)。CPCの目安を採算面から決める考え方は下記で解説しています。

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除外商品ターゲティングで自社ASINを守る

商品ターゲティングには「除外商品ターゲティング」(ネガティブターゲティング)を任意で設定できます。指定したブランド・ASINの商品詳細ページには広告が表示されなくなり、ブランド単位で除外すれば当該ブランドの商品群を一括で除外できます。

自社ASINをあらかじめ除外リストに登録しておくと、自社商品同士のカニバリや無駄クリックを防げるため、複数の実務記事で推奨されている運用です(出典: bop-com)。あわせて、自社より弱い(価格や評価で劣る)強豪や、無関係になったブランド・ASINも定期的に除外リストへ加えることで、ACOSの悪化を防げます。

広告とオーガニックの共食いを見分ける検証方法は以下で解説しています。

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また、複数商品を同一の広告グループに登録すると、Amazonがコンバージョン率の高い商品を優先的に配信するため、特定商品ばかりに露出が偏ります。商品ごとに均等な露出を確保したい場合は、広告グループを商品単位で分割する必要があります。

こうした除外設定や広告グループの分割、日々の入札調整を手作業で続けるのは負担になりがちです。セラサポの広告キャンペーン管理では、ポートフォリオからキャンペーン・広告グループ・ターゲティングまでを階層ツリーで表示しながら、実績を見た画面からそのまま日予算や入札額を変更できます。商品ターゲティングごとのACOSが悪化していないかを確認しながら、その場で除外や配分調整を反映できます。

攻めと守りは表裏一体

商品ターゲティングによる競合ASINへの出稿(いわゆるコンクエスティング)は「攻め」の運用です。一方で、自社ブランド名や自社ASINに対しても広告を出し、検索結果や自社商品ページの上位を自社広告で固める「守り」の運用も欠かせません。守り側は指名検索で購入意欲が既に高いユーザーが対象になるため、CPCが安くACOSも低く出やすい傾向があります。

攻めだけを行い守りを怠ると、逆に他社からのコンクエスティングによって自社の顧客を奪われる可能性があります。攻めと守りは表裏一体のものとして、両面で運用するのが実務的な考え方です。

規約上の位置づけとリスク

競合の商品詳細ページに自社商品の広告を表示させるコンクエスティングは、Amazon広告が公式に用意した標準のターゲティングメニューの一部であり、裏技やグレー手法ではありません(出典: ppc-master)。

ただし、ターゲティング先(配信面)の指定と、広告表現(見出し・画像・本文)は別レイヤーの規約です。Amazon公式の出品者向けクリエイティブガイドラインでは、広告掲載禁止内容として「他社との比較広告または業務妨害となる恐れがあるもの」「第三者の名誉、信用、プライバシー、知的財産を侵害するおそれがあるもの」が明記されており、広告見出しや画像・本文で氏名・商標などを無断使用した表現は掲載できません。

POINT

ターゲティング先として競合ASINを指定すること自体は規約違反ではありません。危険なのは、広告のクリエイティブに競合ブランド名を出したり、比較コピーを入れたりする表現の側です。

コンクエスティングを行う事業者も存在しますが、こうした手法は推奨されるものではありません。現時点で確認できる範囲では、コンクエスティング自体を理由としたアカウント停止の実例は確認できておらず、確認できているのは公式ガイドライン上の禁止規定の存在までです。広告審査で却下される場合は「掲載拒否・修正依頼」レベルの措置であり、アカウント停止よりは軽度とされますが、「事例がない」ことは「安全」を意味しません。狙うなら、ターゲティング先の指定にとどめ、広告見出し・画像・本文で競合ブランド名を名指しした比較表現は使わないことが前提になります。

まとめ

商品ターゲティングは、キーワードではなくASIN・カテゴリーを指定して競合の商品ページや検索結果に広告を出す方式で、キーワードターゲティングとは併用が基本です。狙うASINは自社が価格・レビュー・訴求力で優位な相手に絞り、CPCはキーワードターゲティングと同水準に設定します。自社ASINの除外設定と、自社ブランド名を固める「守り」の運用をあわせて行うことで、攻めと守りの両面から広告効果を高められます。

よくある質問

商品ターゲティングとコンクエスティングは同じ意味ですか

商品ターゲティングはASIN・カテゴリー・ブランドを指定する配信方式そのものを指し、コンクエスティングはそのうち競合ASINを狙う使い方を指す言葉です。日本語の実務では「商品ターゲティング(競合ASIN指定)」「攻めの広告」という言い方の方が一般的です。

商品ターゲティングとキーワードターゲティングはどちらを先にやるべきですか

新商品発売直後で認知度が低い段階は、一般的なキーワードに絞ったキーワードターゲティングを優先します。スポンサープロダクトのキーワード運用がひと通り回り、予算に余裕が出てから商品ターゲティングを追加するのが実務的な順序です。

個別ASIN商品ターゲティングのCPCはいくらに設定すればよいですか

同一アカウント内のキーワードターゲティングのCPCと同水準に設定するのが目安です。極端に低いCPCを設定すると広告がほとんど表示されず、十分な効果を得られません。

自社ASINを商品ターゲティングの対象から外すことはできますか

できます。除外商品ターゲティング(ネガティブターゲティング)でASINまたはブランド単位で除外設定ができ、自社ASINを事前に除外しておくことで自社間のカニバリや無駄クリックを防げます。

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