
Amazon広告の種類|SP・SB・SDの違いと始め方
公開: 2026/8/10 / 更新: 2026/8/11
目次
Amazon広告には主に3種類のスポンサー広告があります。検索キーワードに反応する「スポンサープロダクト広告(SP)」、検索結果の最上段でブランドを訴求する「スポンサーブランド広告(SB)」、興味関心や行動データを軸に配信する「スポンサーディスプレイ広告(SD)」です。初めて広告を出す出品者は、まずSPから始め、慣れてからSB・SDへ広げるのが定石とされています。
Amazon広告の3種類とは
3つの広告は掲載面もターゲティングの軸も異なります。スポンサープロダクト広告(SP)とは、検索結果や商品詳細ページに登録済みの商品サムネイルをそのまま表示する、検索キーワード軸の広告です。クリエイティブの制作が不要なため、最も始めやすい形式とされています。
スポンサーブランド広告(SB)とは、検索結果の最上段にブランドロゴ・見出し文・最大3商品(または動画)を表示する広告で、遷移先を商品ページだけでなくストアページにも設定できます。スポンサーディスプレイ広告(SD)とは、興味関心や閲覧・購入履歴といった「人」を軸にターゲティングする広告で、3種類の中で唯一Amazon外のアドネットワークにも配信されます(引用元はこちら出典: waltex)。
| SP(スポンサープロダクト) | SB(スポンサーブランド) | SD(スポンサーディスプレイ) | |
|---|---|---|---|
| ターゲティング軸 | 検索キーワード/商品 | 検索キーワード/商品 | 人(興味関心・リマーケ)+商品 |
| 主な掲載面 | 検索結果・商品詳細ページ | 検索結果の最上段 | 商品詳細ページ・レビュー横・Amazon外 |
| クリエイティブ | 不要 | ロゴ・見出し・画像/動画(審査あり) | バナー等(審査あり) |
| 課金方式 | クリック課金(CPC) | CPC/最適化によりvCPMも可 | 目的によりCPC or vCPM |
| 役割 | 顕在層の刈り取り | 面の確保・ブランド認知 | 離脱の呼び戻し・リピート |
POINTPOINT: SPは「探している人」に、SDは「一度見たが買わなかった人・興味を持ちそうな人」に届く広告です。両者は競合しているようで、実際は役割が異なります。
より規模の大きい「Amazon DSP」、無料で使える「ストアページ」を含めると、Amazon広告は5つのメニューで語られることもあります(引用元はこちら出典: kwm)。
利用資格の違いが始める順番を決める
3種類の広告は、出稿できる条件が異なります。この差が、初心者がどの広告から着手すべきかを決める最大の要因です。
| タイプ | 大口出品 | ブランド登録(商標) | おすすめ出品(カート獲得) |
|---|---|---|---|
| SP | 必須 | 不要 | 必須 |
| SB | 必須 | 必須 | 不要 |
| SD | 必須 | 必須 | 必須 |
SPはブランド登録が不要なため、商標を取得していない新規セラーでもすぐに始められます。一方でSB・SDはブランド登録(商標登録)が前提条件です。商標の取得には半年から1年ほどかかることもあるため、ブランド登録前のセラーは実質的にSPしか選べません(引用元はこちら出典: Amazon出品サービス公式)。
なお小口出品プランでは、そもそも広告を配信できません。広告を検討する時点で大口出品への切り替えがほぼ必須になります。

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大口出品と小口出品どちらを選ぶ?損益分岐と機能差
大口出品と小口出品の損益分岐点は月49点です。ただしカート獲得資格や広告出稿など大口限定の機能差が売上そのものを左右するため、実務での選び方を数字つきで詳しく解説します。
またSPは、商品が「おすすめ出品」(カート獲得)の状態でなければ表示されません。カートを獲得できていない商品にSP広告を設定しても、インプレッションがほぼ出ない空振りになるため、広告を設定する前にカート獲得状況を確認しておく必要があります。
セラサポでできること
その広告費、いくらまで使ってよいか決まっていますか
セラサポは商品ごとに損益分岐ACOS(赤字になる境目)を自動計算します。深夜に溶けている広告費や予算切れの日数も金額で出るので、直す場所がすぐ決まります。
初心者が始める順番はSP→SB→SD
複数の日本語セラー向けメディアで共通して紹介されているのが「SP→SB→SD」という拡張順です。SPで運用に慣れ、並行してブランド登録を済ませた後にSBを追加し、さらに慣れてからSDへ広げます(引用元はこちら出典: grooveinc)。
いきなり3種類を同時に運用しようとすると、キーワード設計や予算管理が複雑になりすぎて、どの施策が効いているかの判断がつかなくなります。段階を踏むことで、各フェーズで見るべき指標をシンプルに保てます。
フェーズ別の予算配分の目安は、次のように紹介されています(いずれも代理店メディアの経験則で、一次データではありません)。
| フェーズ | 期間の目安 | 予算配分の目安 |
|---|---|---|
| 立ち上げ期 | 0〜3か月 | SPに8〜9割集中(オートターゲティングでデータ収集) |
| 改善期 | 3〜6か月 | SP 70%:SB 20%:SD 10% |
| 拡張期 | 6か月以降 | SP:SB:SD=7:2:1(幅でSP70〜80%/SB10〜15%/SD5〜10%) |
(引用元はこちら出典: finner)
広告予算はACoSから逆算する
月間の広告予算は、感覚で決めるのではなく次の式で逆算するのが基本です。
POINTPOINT: 月間広告予算 = 目標広告経由売上 × 目標ACoS(%)。例えば広告経由売上200万円・目標ACoS20%なら、月間予算は40万円が目安になります。

目標ACoSは、粗利率から計算する「損益分岐ACoS」を基準に、確保したい利益率を差し引いて設定します。粗利率が30%の商品であれば、目標ACoSは15〜21%程度が一つの目安として紹介されています(引用元はこちら出典: finner)。

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損益分岐ACOSの計算方法|手数料込みで逆算
損益分岐ACOSは原価だけでなくAmazon手数料まで引いて算出します。計算式・具体例・目標ACOSの決め方を数字つきで解説します。
売上規模別の広告費の目安も参考になります。月商100万円未満なら広告費5〜15万円、月商100〜500万円なら15〜75万円という水準が紹介されていますが、カテゴリーや商品によって幅が大きい点には注意が必要です。
注意したいのは、Amazon広告には月の上限額に達したら自動で配信を止める機能がないという点です。予算超過時にはセラーセントラルからメールで通知が来ますが、月間予算そのものを直接設定する機能はありません。実務では「ポートフォリオ」機能に月次の上限額を設定し、複数キャンペーンをまとめて管理する代替策が使われています(引用元はこちら出典: Amazonセラーセントラル ヘルプ)。
ここまでが手作業での予算管理の方法です。セラサポの「予算内に押さえる」機能では、今月の目標消化額を入力するだけで、過去の消化率をもとに複数キャンペーンの日予算を自動で計算し直せます。実行前にプレビューで金額を確認できるため、予算オーバーに気づいたときに手作業で1件ずつ日予算を調整する手間を省けます。
オートターゲティングから手動への移行
初心者がSPを始める際は、まずオートターゲティングで2週間から1か月ほどデータを集めます。その後「検索用語レポート」で実際にコンバージョンが出ているキーワードやASINを確認し、成果の良いものを手動(マニュアル)ターゲティングのキャンペーンへ移行します。
移行後はオート側に、移行させたキーワードを除外設定として追加してください。そうしないと同じキーワードにオートとマニュアルの両方から入札してしまい、自社内で入札を奪い合う「共食い」が起きます(引用元はこちら出典: waltex)。
キーワードのマッチタイプは3種類あり、目的によって使い分けます。
| マッチタイプ | 使いどころ |
|---|---|
| 完全一致 | 確実に売上が見込めるキーワードに絞って配信 |
| フレーズ一致 | 運用初期に推奨される標準的な設定 |
| 部分一致 | 予算に余裕がある場合の新規キーワード発掘用 |
日本語特有の注意点として、ひらがな・カタカナ・ローマ字表記は別々のキーワードとして認識されます。同じ商品名でも複数の表記で個別に登録しないと、検索の取りこぼしが起きます。
検索用語レポートのチェックは、SKU数が増えるほど手作業では追いきれなくなります。セラサポの「SP広告 成果分析」では、検索語別・配置別に実績を自動で分解し、無駄クリックになっている検索語を一覧で確認できるため、移行対象と除外対象の切り分けにかかる時間を減らせます。
商戦期の広告運用の注意点
プライムデーなど大型セールの際は、通常期とは予算の使い方を変える必要があります。
POINTPOINT: セール2週間前から事前配信を強化し予算を厚めにする一方、セール終了直後の完全停止は避け、段階的に減額するのが望ましいとされています。
セール直前は、生活者が事前にリサーチ行動を取っていることが多く、この時期の露出を厚くすることがオーガニックランクの底上げにもつながるという考え方があります。また目標CPAを達成できている状態で予算が枯渇するのは機会損失にあたるため、達成できているなら追加投下して個数最大化を狙うべきという見方もあります。逆にセール終了直後に広告を完全停止すると、広告スコアが下がり次回出稿時に単価が上がりやすくなるとされています(引用元はこちら出典: oneder.hakuhodody-one)。

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プライムデー準備の逆算スケジュールとFBA納品締切、Deal申請のタイミング、広告予算の組み方を数字つきで解説します。
在庫切れの商品でも、SP広告・SD広告は表示・課金が止まらないという複数のセラーの実体験報告もあります。在庫切れが近い商品は、キャンペーン側で手動でオフにする対応が必要です。
注意点:広告表現とグレーな運用
広告を回す前に、商品ページの最適化とレビューの確保を済ませておくことが前提条件です。レビューが薄い状態で広告費だけを投じると、クリックは集まっても購入は競合に奪われやすく、赤字化しやすいとされています(引用元はこちら出典: hideandseek)。
SB・SDの見出し文や画像で誇大な表現や優良誤認を招く表現を使うと、Amazonのポリシー違反に加えて景品表示法・薬機法など国内法令にも抵触する可能性があります。薬機法違反の疑いがある表現を自動検知するアルゴリズムが導入されており、該当ASINの削除が急増しているとの指摘もあるため、広告文言にも商品ページと同水準の注意が必要です(引用元はこちら出典: cyber-records)。
競合ブランド名や競合商品名をキーワード・商品ターゲティングに設定して自社広告を割り込ませる手法を使う事業者も存在します。これ自体が直ちに違法・規約違反とは言えませんが、商標権侵害や不正競争防止法上の問題に発展しうるグレーな領域で、ブランドオーナーからの通報対象になりやすいものです。Amazonでは知的財産権侵害の通報が入ると調査が行われ、侵害の可能性が高いと判断されるとアカウントごと停止される運用になっています。この手法は推奨しません。
まとめ
Amazon広告はSP・SB・SDの3種類が中心で、それぞれ利用資格と役割が異なります。ブランド登録が不要なSPから始め、運用に慣れながらブランド登録を進め、SB・SDへ段階的に広げるのが定石です。予算は感覚で決めず、目標ACoSからの逆算で設定し、月額の自動停止機能がない点を踏まえて日次で監視することが欠かせません。まずはSPをオートターゲティングで始め、検索用語レポートを見ながらマニュアルへ育てていくところから着手してください。
よくある質問
初めてAmazon広告を出す場合、SP・SB・SDのどれから始めるべきですか
ブランド登録が完了していない場合は、選択肢がSPしかありません。ブランド登録が完了していても、まずはSP単独で運用に慣れてから、SB・SDへ段階的に広げるのが一般的です。
小口出品プランでもAmazon広告は出せますか
出せません。3種類のスポンサー広告はいずれも大口出品プランが必須の条件になっています。
広告費が予算を超えないようにするにはどうすればよいですか
Amazon広告には月の上限額で自動停止する機能がありません。ポートフォリオ機能で月次上限を設定するか、日次予算のキャップと日次モニタリングを組み合わせて管理する必要があります。
SPとSDは同時に運用しても問題ありませんか
資格要件を満たしていれば問題ありません。ただしSDはブランド登録が前提のため、ブランド登録前のセラーはSP単独からの運用になります。
クリック単価(CPC)の相場はいくらですか
情報源によって数値の幅が大きく異なるため、本記事では具体的な相場を断定していません。実際の相場はセラーセントラルの「推奨入札額」表示や自社の広告レポートで確認するのが確実です。
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