Amazon競合分析のやり方|無料ツールで価格・レビューを比較

Amazon競合分析のやり方|無料ツールで価格・レビューを比較

公開: 2026/8/12

Amazonの競合分析とは、競合のASINや競合セラーを特定する作業です(ASINは、Amazonが商品1つずつに割り当てている10桁の商品コードです)。そのうえで、推計売上・価格・レビュー・出品形態を比較し、自社の商品ページと広告の改善につなげます。セラーセントラルには自社の販売数値しか表示されません。そのため競合の実売上は、外部ツールの推計値やレビュー・ランキングの変化から読み取るしかありません。この記事では、無料の範囲でできる手順と、精度を上げるために有料ツールをどこで使うかを整理します。

セラーセントラルだけでは競合の実売上が見えない

まず押さえておきたいのは、セラーセントラルの各種レポートが自社の販売数値しか表示しないという構造です。競合ASIN・競合セラーの実際の売上件数や売上金額は、セラーセントラル上のどのレポートにも出てきません。

そのため実務では、次の2つの方法のどちらかで競合の状況を推測します。1つは、レビュー件数の増え方や売れ筋ランキングの変化から間接的に推測する方法です。もう1つは、外部ツールの推計売上データを併用する方法です。

POINT

競合分析は、自社データ(セラーセントラル)とAmazon公式の無料機能、外部ツールの推計値を組み合わせて設計します。外部ツールの数値は各社とも「参考値」と案内しています。1つのツールの数字だけで大きな意思決定をしないことが基本です。

競合分析の基本フロー(4ステップ)

競合分析は、次の4ステップで進めると手戻りが少なくなります。

ステップやること主な情報源
① 競合ASIN・セラーの特定主力キーワード軸・同価格帯軸・同ターゲット軸で洗い出す検索結果、売れ筋ランキング
② 推計売上の把握販売個数・売上シェアを参考値として確認する外部ツール(推計売上機能)
③ 価格・在庫・レビューの比較4軸で強み弱みを整理するKeepa等の価格履歴、商品ページ
④ 施策への落とし込みページ・価格・広告に反映する自社の商品ページ、広告管理画面

セラサポでできること

手数料がいくら引かれたか、商品ごとに見えていますか

セラサポなら、販売手数料・FBA配送料・保管料を商品ごとに集計します。原価を登録すれば「この商品は広告費をいくらまで使えるか」まで自動で出ます。

ステップ1: 競合ASIN・セラーを3つの軸で洗い出す

競合ASINの洗い出しは、次の3つの軸で行うと漏れが減ります。

  • 主力キーワード軸: 自社の主要検索語で上位表示される商品
  • 同価格帯・同カテゴリ軸: 価格レンジやカテゴリが近い商品
  • 同ターゲット軸: 検索語が違っても購入者層・用途が重なる商品

このとき、ビッグキーワードの1位商品だけを競合と見なすのは避けたほうがよいです。月間検索ボリューム100〜1,000回程度のミドル〜スモールキーワードで検索してみましょう。大手が手薄にしているニッチな競合が見えてきて、実際に取りに行ける枠を見つけやすくなります。

キーワードの洗い出し方は、次の記事で手順を詳しく解説しています。

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Amazonキーワードの探し方・選び方

Amazonキーワードリサーチを無料でできる手順で解説。候補集めから公式実績データでの裏取り、表キーワード・裏キーワードへの落とし込み方まで具体例つきで説明します。

さらに、Amazonには2つの重要な仕組みがあります。1つは、1つの商品ページに複数の出品者が並ぶ「相乗り出品」です。もう1つは、色・サイズ違いなどの商品が親子関係でまとまる「グループASIN(バリエーション)」です。

これを押さえておかないと、見落としが生まれます。同じ商品ページに複数の競合セラーが出品していることに気づけません。また、色・サイズ違いの商品が実は同じ競合ブランドであることも見落とします。競合構造は「ページ単位」ではなく「同一ページ内の他セラー+親子ASIN群」で捉える必要があります。

ステップ2: 推計売上を無料・有料ツールで把握する

競合の推計売上・販売シェアは、外部ツールでキーワード検索して市場分析レポートを出すと一覧化できます。ただしツール提供元自身が「数値の精度は100%ではなく参考値」と案内している点には注意が必要です。

ツール無料でできる範囲有料でできること
セラースプライトキーワード表示は上位5件程度に制限競合の推計売上・キーワード逆引き・広告インサイト
Keepa価格推移グラフ・値下げ通知ランキング推移・在庫詳細・出品者数グラフ
ERESA売上分析・検索・ランキング表示は無料月額3,980円(1週間の無料トライアルあり)

Keepaの価格・ランキング履歴の読み方は、こちらの記事にまとめています。

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Keepaの使い方|価格・ランキング履歴の読み方

Keepaの価格・ランキング・在庫・出品者数グラフの読み方を解説。仕入れ判断や価格改定、競合監視への具体的な活かし方と、鵜呑みにできない注意点も紹介します。

こうした複数ツールの選び方の全体像は、次の記事も参考になります。

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Amazonセラーツール比較|分析・価格改定・KW調査

Amazonセラー向けの分析・価格改定・KW調査ツールを用途別に比較。無料の純正機能で足りる範囲と有料ツールを検討すべき条件を、料金と実例で解説します。

ここまでが手作業での確認手順です。セラサポの競合調査では、キーワードごとに検索結果上位の競合を並べます。価格・星・レビュー数・月間購入数を、自社の順位と一緒に一覧表示できます。さらに、ASINからの逆引き検索や、キーワードごとの目標入札額・戦略メモの保存もできるので、広告設計にそのまま使えます。

ステップ3: 価格・在庫・レビュー・出品形態を比較する

比較の主要4軸は価格・在庫・レビュー・出品形態です。中でもレビュー分析は、競合の弱点を見つけて自社ページで先回りできる実務的な効果があります。

低評価(星1〜3)は、次の5分類で整理すると改善点が特定しやすくなります。

分類内容
期待と実物のズレ商品ページの説明と実物の印象が違う
品質・初期不良壊れていた、動作しない
梱包・配送トラブル箱の潰れ、配送中の破損
使い方がわからない説明書不足、初期設定が難しい
サポートへの不満問い合わせ対応への不満

自社と競合の両方で星1〜3を分類して比較します。競合が弱い項目は、自社の商品ページ・A+コンテンツ(商品ページの下部に画像と文章を追加できる、ブランド登録者向けの機能です)・同梱物で先回りして訴求します。そうすることで、広告費を増やさずにCVR(購入転換率。商品ページを見た人のうち、実際に買った人の割合です)の差別化ができます。自社の★評価が急落した場合の対処手順は、こちらにまとめています。

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Amazon★評価急落の原因特定とリカバリ手順

★平均が急に下がった原因を新規レビューの有無で切り分け、2026年のバリエーション分割対応まで含めたリカバリ手順を具体的な数字とともに解説します。

価格・在庫・出品者数の推移は、価格履歴ツールで定点観測します。競合が「最大注文個数」を絞って、在庫を実態より少なく見せている場合もあります。そのため、表示をそのまま鵜呑みにせず、複数のシグナルを突き合わせることが大切です。

自動価格改定を導入する場合は、原価割れを防ぐ下限価格の設計が前提になります。詳しい注意点は次の記事で解説しています。

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Amazon価格改定ツールの選び方と改定頻度の決め方

自動価格改定ツール(リプライサー)の選び方を3つの軸で解説。価格フロアの計算方法、値上げ・値下げのリスクの違い、改定頻度の決め方を商材の特性別に整理します。

ステップ4: Amazon公式の無料機能で市場全体を見る

外部ツールに頼らなくても、Amazon公式の無料機能だけで市場全体の傾向はある程度つかめます。

  • ブランド分析「Amazon検索用語(上位の検索用語レポート)」: ブランド分析とは、ブランド登録をした出品者が使える分析メニューです(ブランド登録とは、自社の商標をAmazonに登録して、商品ページの保護や専用機能を使えるようにする制度です)。このレポートは、ブランド登録済みの出品者のみ無料で使えます。Amazon全体で検索頻度の高いキーワードと、そのキーワードでクリックされやすいASINの上位1〜3位を確認できます
  • 売れ筋ランキング: 無料・ほぼリアルタイム更新で、各カテゴリーの上位商品を閲覧できます
  • 商品トレンド解析ツール: セラーセントラルの機能で、商品・カテゴリへの検索行動や購買行動、レビュー・返品の傾向を分析できます

キーワードは、2段構えで見ると取りこぼしが見つかりやすくなります。まず、ブランド分析の上位検索用語レポートで市場全体の傾向を把握します。次に、広告の検索クエリパフォーマンスのレポートを確認します。ここでは、広告が表示されてクリックもされているのに、購入では自社の割合が低いクエリを洗い出します。この「購入に占める自社の割合」を、コンバージョンシェアと呼びます。

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ブランド分析SQPで取りこぼしキーワードを探す方法

検索クエリパフォーマンス(SQP)の見方を解説。購入シェアはあるのにタイトルに入っていないキーワードの見つけ方と対応の優先順位を具体的な数値例で紹介します。

売れ筋ランキングは販売個数(注文回数に近い数値)で決まり、出品点数の規模によって順位の重みが変わります。仕組みの詳細は次の記事で解説しています。

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Amazon売れ筋ランキングの仕組みと見方

売れ筋ランキングは金額ではなく販売個数の「勢い」で決まります。更新頻度・ベストセラーバッジの条件・101位以降の確認方法を実例つきで解説します。

注意点: 自動収集ツールと複数アカウントのグレーゾーン

競合分析を効率化する目的で、自動収集ツールや調査用アカウントを使う事業者も存在します。ただし、規約上のリスクを理解したうえで判断する必要があります。

POINT

Amazon.co.jpの利用規約は、製品リストや価格などの収集・利用、データマイニング、ロボットなどのデータ収集・抽出ツールの使用を、利用許諾の対象外としているとされます。つまり、こうした自動収集ツールの使用自体が、規約で認められた利用範囲に含まれない可能性があるということです。競合価格調査ツールの利用のみを理由とした出品停止の一次事例は確認できていません。ただし、規約上の位置づけは明確にしておく必要があります。

さらに、アマゾンジャパンは2026年10月28日付で「Amazonサービスビジネスソリューション契約」を改定する予定です。この改定で、新たに「エージェントポリシー」が追加されます。このポリシーでは、Amazon上のデータをAIモデルの学習・改善に利用することを禁止します。

また、自動化システムを使う場合は、その旨を明確に識別できるようにする義務も新設されるとされています。自動データ収集を伴う競合分析ツールも、この規定の影響を受ける可能性があります。施行前に、セラーセントラルの規約ページで最新情報を確認してください。

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Amazon運用のどこまでを自動化してよいかを3層で整理。公式機能・第三者ツール・人手必須領域の線引きと、自動化後も監視が必要な理由を実例つきで解説します。

また、競合の販売状況を調べる目的で本アカウントとは別に「調査用」アカウントを無申請で作成するのは避けてください。事前申請・許可のない複数アカウント運用は規約違反とされます。検知されると、関連アカウントが連鎖して停止した事例が報告されています。アカウント作成の正しい手順は次の記事を参照してください。

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Amazon出品用アカウントの作り方|必要書類と審査対策

出品用アカウント登録に必要な書類、本人確認ビデオ通話の流れ、審査でつまずく典型パターン、開設後の初期設定までを実例つきで解説します。

よくある質問

競合の実際の売上はどこで確認できますか

セラーセントラルには競合の売上は表示されません。セラースプライトやERESAなど外部ツールの推計売上機能を使う方法があります。あるいは、レビュー件数の増加ペースと売れ筋ランキングの推移から間接的に推測する方法もあります。いずれも参考値として扱い、単独の数値で断定しないことが重要です。

無料の範囲だけで競合分析はできますか

基本的な分析は無料でも可能です。Keepaの価格推移グラフ、ERESAの売上分析・ランキング表示を確認します。さらに、Amazon公式の売れ筋ランキングと商品トレンド解析ツールを組み合わせます。そうすれば、価格・在庫・順位の傾向は把握できます。ただし競合ごとの推計売上や広告出稿の詳細は有料機能が必要になる場合があります。

ブランド登録していなくても競合分析はできますか

できます。ブランド分析の検索用語レポートはブランド登録者限定です。一方、売れ筋ランキング・商品トレンド解析ツール・外部ツールの価格履歴機能は、ブランド登録の有無に関わらず利用できます。

競合分析ツールを使うと出品停止のリスクはありますか

競合価格調査ツールの利用のみを理由とした停止の一次事例は確認できていません。ただし、Amazon.co.jpの利用規約は、データの機械的収集を利用許諾の対象外としているとされます。また、2026年10月28日には、自動化システムの識別義務などを含む「エージェントポリシー」の追加も予定されています。ツール利用前に、最新の規約を確認することをおすすめします。

まとめ

Amazonの競合分析は、セラーセントラル単体では競合の実売上が見えないという前提で進めます。自社データ・Amazon公式の無料機能・外部ツールの推計値を組み合わせるのが基本です。競合ASINは3つの軸とミドルキーワードで洗い出します。価格・在庫・レビュー・出品形態の4軸で比較し、レビューの弱点を自社ページで先回りして訴求するのが基本の型です。自動収集ツールや複数アカウントのグレーゾーンには規約上のリスクがあります。施策に取り入れる前に、規約の最新情報を必ず確認してください。

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